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国連「第4回環境総会(UNEA4)」の宣言案、プラスチック製レジ袋や使用済ストロー等の2025年までの使用全廃を盛り込む。日本の環境省の「レジ袋有料化」策の「後進性」明瞭に(各紙)

2018-12-16 13:04:54

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 各紙の報道によると、国連環境計画(UNEP)は来春に開く第4回国連環境総会(UNEA4)で、プラスチック製のレジ袋やストロー、食器の使用を2025年までに止め、最終的には使い捨てプラスチック全廃戦略を各国に策定を求める閣僚宣言案が、明らかになった。日本は環境省が、レジ袋有料化やプラごみ25%削減案を打ち出しているが、それらを大幅に上回る厳しい内容だ。

 

 ロイター等が報道した。それによると、UNEA4の閣僚宣言案は「食品ロス、プラスチックごみ、海洋ごみに重点をおいた、廃棄物の削減と管理のための政策を各国が策定し、実施する」ことを明記している。そうした対策の具体策として、2025年までにプラスチック製のレジ袋、使い捨てストローやショックを廃止することから始め、使い捨てプラスチック廃絶のために、各国はそれぞれ戦略を策定する」と国の義務をうたっている。

 

 ペットボトルなどのプラスチック製飲料容器については、リサイクルや再利用を促すために、家禽制度などの経済的手法の導入を提案。国の策定計画には、2025年段階での再利用率やリサイクル率の数値目標を設けることを求める方針という。

 

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 日本は今年6月にカナダ・シャルルボワで開いた先進7カ国首脳会議(G7)で、2030年までにすべてのプラスチック製品を再利用、リサイクル、あるいは生分解性に切り替えること等を宣言する「海洋プラスチック憲章」に米国とともに参加せず、署名した欧州とカナダの5カ国との間に溝を作った。http://rief-jp.org/ct12/80094

 

 その後、環境省がスーパーなどの小売店でのプラスチック製レジ袋を有料化し、プラスチックごみの排出量を2030年に現状よりも25%削減することを目指す「プラスチック資源循環戦略案」を発表している。しかし、レジ袋有料化はすでに一部の自治体や小売り業者が取り入れている。「プラごみの縮減より、廃止」が求められるグローバル環境の下で、同省の判断力の「緩さ」が批判されていた。http://rief-jp.org/ct12/79668

 

 UNEPが準備する閣僚宣言案は、環境省などの日本政府が目指すものよりも大幅に踏み込んだ内容だ。今後、日本政府などは、宣言案の修正等を働きかけるとみられる。だが、すでに多くの海洋生物がプラスチック汚染にさらされており、その影響は海産物の摂取を通じて、すでに人体にも及んでいることは多くの研究結果で判明している。http://rief-jp.org/ct12/85359  http://rief-jp.org/ct12/72592

 

 こうした海洋汚染の現状を考えると、25年のレジ袋等の全廃でも遅いくらいだ。このままでは、「企業への影響抑制」を最優先する日本政府は、温暖化対策だけでなく、プラごみ対策でも、政策能力の「後進性」が際立つ形になりそうだ。

 

 UNEA4は来年3月11~15日の期間に、UNEPの本部があるケニアのナイロビで、開かれる。国連加盟各国の環境相らが参加するが、日本の環境相がその場で立ち往生しないよう、現実と地球の未来を踏まえた政策立案を求めたい。

 

http://sdg.iisd.org/events/fourth-session-of-the-un-environment-assembly-unea-4/