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英政府、メールやウェブ閲覧など「リアルタイム監視」へ新法(AFP)

2012-04-03 12:51:56

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【4月2日 AFP】英政府が電子メールやウェブサイトへのアクセス履歴を監視できるようにする新法を準備していると、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が1日付で報じた。

 報道によると新法では、英政府通信本部(Government Communications HeadquartersGCHQ)が「要求に応じて」あらゆるテキストメッセージや電子メール、ウェブサイトのアクセス履歴、インターネット電話の通話記録を「リアルタイムに」調査できるようにする機器の導入をインターネット企業各社に義務付ける。詳細は5月に公表される予定という。

 これによってGCHQは、特定の集団または個人が接触した相手を追跡することが可能になり、接触の頻度や接触した時間の長さなどの情報も取得できるようになる。通信内容には、捜査令状がなければアクセスできないとサンデー・タイムズ紙は報じている。

■通話内容やメールの中身は監視対象外か

 この報道について英内務省は、「国会日程が許す限りできるだけ早くに」法制化するために閣僚らが準備を進めていると表明。「深刻な犯罪・テロを捜査し、国民を守るためには、治安当局が特定の状況下で通信データを取得できることが不可欠だ」と述べて理解を求めた。

 同省によれば、監視されるデータは電子メールの送信先アドレスや通話先の電話番号、通信・通話が行われた日時と時間などで、メールの中身などのコンテンツ部分は含まれないという。内務省報道官は「通話や電子メールの中身は含まれない。政府には、通信の傍受についての既存の法的根拠に変更を加える意図はない」と述べた。

 新法に対し人権団体は強く反発している。

 政府の監視強化に反対する「ビッグブラザー・ウオッチ(Big Brother Watch)」のニック・ピクルス(Nick Pickles)氏は、「英国で中国やイランのような監視が行われるようになる前代未聞の政策」と批判。また別の人権団体「リバティ(Liberty)」のShami Chakrabarti氏は「民主主義においてはかなり過激な政策」と懸念を示した。

 英国では同様の法制化の動きは2006年の労働党政権下でもあったが、強い反発を受けて頓挫している。

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/it/2869127/8733350