マレーシア、日本などから不正輸入された廃プラごみ満載のコンテナ150個分を輸出国13か国に返送。追加で110個分を今年半ばまでに返送(RIEF)
2020-01-21 14:28:14
マレーシアのヨー・ビーイン(Yeo Bee Yin)環境相は20日、日本を含む先進国からマレーシアに不正輸入されたプラスチックごみ等を詰め込んだコンテナ150個分(3737㌧)を、昨年9月~今年1月までの間に、日米仏など13カ国に送り返したと発表した。さらに110個分を年中ばまでに送り返すという。
(写真は、不正に持ち込まれたプラごみを返送するコンテナを確認するマレーシアの環境相)
ヨー氏は、プラごみを詰め込んだコンテナを山積みしたマレーシア北西部のペナン港で記者会見した。プラごみ問題を巡っては、世界中の廃棄物を受け入れていた中国が、2018年1月に受け入れを中止したことで、マレーシアやタイなど東南アジアの国々への代替輸出が急増。各地で問題化していた。https://rief-jp.org/ct9/90303
不正にプラごみ輸入が急増したマレーシアでは、十分な処理施設がなく、単純燃焼によって各地で大気汚染の深刻化するなどの弊害が発生した。これまでに送り返された廃プラごみは、国内の200以上の工場に不正に持ち込まれたものを回収した。http://rief-jp.org/ct12/75989
150個のコンテナのうち、もっとも多い43個はフランスへ、42個は英国、米国は17個、カナダ11個、10個がスペイン。その他は、香港、日本、シンガポール、ポルトガル、中国、バングラデシュ、スリランカなどへ送り返された。日本は7番目に多い5個分。中にはリトアニアからのものもあったという。
ヨー氏は、コンテナの返送費用等は、当初の輸出国の荷主と運航会社に請求し、マレーシアは一切の費用負担もしないとしている。「今後も全て送り返すという断固たる姿勢を貫く」と強調している。
ヨー氏によると、現在、追加の返送分110個について各国当局と話し合いを継続中という。このうち、米国分が最も多く、60個に上る見通しだ。カナダにも15個、日本は14個、英国9個、ベルギー8個などととなっている。
さらに2月には、政府内の他の官庁と協力して不正輸入の摘発のための行動計画を立ち上げるとしている。さらなる輸入を止め、不正輸入されたプラごみを返送する作業をスピードアップ化することを目指す。
ヨー氏は「われわれの立場は非常に明確だ。不正に持ち込まれた廃棄物を元の国に戻したいということだ。『マレーシアは世界のゴミ捨て場ではない』というメッセージを世界に伝えたい」と強調している。