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政府、福島7市町村で除染計画大幅遅れ 最短1年遅れ。 効かない除染効果、難航する汚染土壌処理(各紙)

2013-09-10 19:09:12

遅々として進まない除染作業
遅々として進まない除染作業
遅々として進まない除染作業


各紙の報道によると、政府は10日、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う除染作業の現行計画を抜本見直しすると発表した。国直轄で除染する原発周辺11市町村の「除染特別地域」のうち、2013年度末完了としてきた南相馬市などの7市町村の完了時期を少なくとも1年以上先送りする。また全面見直しの新たな計画を年内にまとめると発表した。


 除染作業が手間取っているのは、除染後、新たに放射線量が上昇するなど、除染効果が十分に上がらない地域が各地で見つかっているほか、除染後に出る汚染土壌の仮置き場の確保が難航し、さらに住民から除染作業の同意取得が想定以上に時間を要していることなどが理由と説明している。

完了時期は少なくとも1年遅れる見通しとしているが、地域によっては大幅遅れの可能性もある。除染計画見直しの対象市町村のうち、南相馬市、飯舘村、川俣町、葛尾村、浪江町、富岡町は年内をめどに計画を見直す。「帰還困難区域」が大部分を占め、除染計画がない双葉町については、計画策定に向けて引き続き調整するという。

基本的に除染業務を担当する人材の不足という問題もある。政府は人員を大量に投入できれば、14年度中に完了する可能性もあるが、宿舎や移動などが課題になるという。予算を集中投下して、被災住民の不安を早期に解消しようという意欲が政府にみられないとの見方もできる。




 これまで政府は13年3月末までに除染を完了し、汚染された土壌を仮置き場に移動させると説明してきた。ただ、仮置き場の確保や同意取得に時間がかかっている。住民にすれば中間貯蔵施設の建設の見通しがはっきりしないことで、仮置き場を承認すれば、汚染土壌を長期積み上げるのではとの不安も出ている。




 11市町村のうち除染が終わったのは田村市だけ。楢葉町、川内村、大熊町は予定通り13年度中の完了を目指している。