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疑問残る東電の判断 第1原発、タンク堰の雨水 放射能計測せず排出(福島民友) 規制委も“傍観” 

2013-09-17 11:29:09

台風の影響で土のうが流出した福島原発B排水路。汚染水はダダ漏れ
台風の影響で土のうが流出した福島原発B排水路。汚染水はダダ漏れ
台風の影響で土のうが流出した福島原発B排水路。流出前


東京電力福島第1原発の汚染水問題で16日、東電は、地上タンク群を囲むコンクリート製堰(せき)の外に初めて、故意に雨水を排出したが、セシウムなどから出る透過力の強いガンマ線は計測しないまま排出に踏み切った。ベータ線を出す代表的な放射性物質としてストロンチウム90の濃度が法定基準(1リットル当たり30ベクレル)を下回ったことを根拠にした排出判断だったが、今後、汚染水問題をめぐる東電の危機管理体制への批判が一層強まる可能性がある。
 汚染水問題をめぐる県民の不安は高まっており、福島県関係者は「今回の排出が適正だったかどうかは疑問。全ての核種について測定すべきだ」と指摘した。

台風で土のうが流出した後。貯まっていた汚染水は、ダダ漏れ状態
台風で土のうが流出した後。貯まっていた汚染水は、ダダ漏れ状態


 
 東電が雨水を排出したのは、タンク群7カ所。東電によると、堰内の雨水のベータ線を出す放射性物質濃度は1リットル当たり3~24ベクレルだった。各タンク群では、原子炉の溶融燃料の冷却に使うなどした汚染水が保管されているが、東電は「(放射性セシウム除去装置の)サリーやキュリオンでセシウムを除去した水を保管」しているとして、ベータ線のみを測定した。

 
 これまでのタンク点検作業で、7カ所では高線量が確認されていないことも排出の判断材料となった。
 しかし、事故当時に拡散したセシウムなどの放射性物質は、堰内の地表面に付着しているとみられ、雨水に混じって排出された可能性もある。

 

http://www.minyu-net.com/news/news/0917/news11.html