HOME13 原発 |安倍首相 福島現地視察で、汚染水対策の徹底指示よりも 5,6号機廃炉要請を優先(FGW) 「ノー天気」とはこのことを言う |

安倍首相 福島現地視察で、汚染水対策の徹底指示よりも 5,6号機廃炉要請を優先(FGW) 「ノー天気」とはこのことを言う

2013-09-19 20:53:10

免震重要棟で所員への激励を行う安倍晋三首相(左)=福島県大熊町で2013年9月19日午後
免震重要棟で所員への激励を行う安倍晋三首相(左)=福島県大熊町で2013年9月19日午後
免震重要棟で所員への激励を行う安倍晋三首相(左)=福島県大熊町で2013年9月19日午後


安倍晋三首相は19日、東京電力福島第1原発を視察後、「停止している5、6号機の廃炉を決定してほしい」と東電側に要請したことを明らかにした。視察に立ち会った東電の広瀬直己社長は「年内に判断する」と回答したというが、今、首相が事故当事者の東電に要請すべきことは「1~4号機からの汚染水を遮水しろ」ではないか。

広瀬氏は、原発の汚染水漏れに関し「2014年度中に汚染水浄化を完了する」と語った、と報道されているが、今の汚染水の処理と、海洋流出の防止については、いつ完了するかの答えは全く無かったようだ。

今、東電福島で問われているのは、事故以来、漏えいが続いてきたとみられる放射能汚染水の海洋流出に、早急に歯止めをかけるための抜本策である。静止状態にある5,6号機のことを誰が首相に進言したのか。あるいは進言を受けたとしても、どちらを最優先しなければいけないかということは、首相たるものは自分で判断して発言するべきではないか。

5,6号機について東電はまだ再稼働の期待を持っているのは確かのようだが、高濃度の放射能汚染が今後数十年から数百年は続くとみられる1~4号機と同じ場所にある5,6号機の再稼働が可能と考えているのは、「先の見えない」東電経営者くらいだろう。それを原子力行政に対して責任を負う最高責任者の首相が「要請する」という、方向違いの対応を、この期に及んでしている余裕が、この国にあるのだろうか。

「ノー天気な首相」を、国内のマスコミは面と向かって非難しなくても、世界の目は、決して見逃さない環境にあることを忘れてもらっては困る。日本の政治の無能ぶりと、国民の人任せ対応に眉をしかめるのは、政治的に対立する中国や韓国ばかりではない。多くの海外の目が「日本の危機対応力のなさ」に距離を置き始めていると思われてならない。