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福島・富岡町の町社協 原発事故、市民が伝え続ける「語り部」事業始める (河北新報)

2013-09-23 12:35:35

原発事故の被災体験を研修で話す福島県富岡町の町民=18日、郡山市
原発事故の被災体験を研修で話す福島県富岡町の町民=18日、郡山市
原発事故の被災体験を研修で話す福島県富岡町の町民=18日、郡山市


福島第1原発事故で全町避難する福島県富岡町の社会福祉協議会(福島県郡山市)は23日、被災体験や町の現状を町民自ら県外の視察グループに伝える「語り部」事業をスタートさせた。町社協は「先が見えない福島で懸命に生きる人たちの声を伝えたい」と話す。

事故発生時の状況や古里を離れて暮らす避難者の暮らしぶりを発信し、福島の実態を理解してもらう。震災の風化が懸念されるため事業に乗り出した。

 

福島県いわき市や福島市などに避難する50~70代の18人が登録した。2~3人一組で写真などを使って原発事故の被災体験や思いを伝える。同時に社協職員が、避難区域再編状況や県外避難者数など原発事故後の富岡町の動きをスライドで整理して説明する。

 

避難区域下にある町内では案内せず、郡山市の富岡町生活復興支援センターを中心に県内各地に赴く。
8月に研修を始め、町内にも入って復旧作業が手つかずの街並みを確認した。9月からは、同センターを訪れた静岡県の住民グループや横浜市の社協メンバーなどの前で、少しずつ被災体験を語る時間を設けている。

 

郡山市に避難する遠藤友子さん(67)は、飼っていた牛を残して町を離れ、後に2頭が息絶えたつらい体験を中心に話す予定だ。「言葉を持たない動物の悲しい現実を知ってほしい」と訴える。

 

23日は、町民2人が同センターで、岡山県から訪れる民間団体に思いを述べる。
事務局を務める元富岡高校長の青木淑子さん(65)は「原発事故を語り続けなければならない。私たちが何十年、何百年と続く語り部の礎を築き、避難者の思いを届けていきたい」と話した。

 

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/20130922t65010.htm