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東京の下水汚泥の放射能汚染 今年度上期調査で 福島を除き全国一の高濃度セシウム検出(FGW) 東京は全くコントロールされていない

2013-10-11 15:23:47

処理後の償却灰から高濃度のセシウムが検出され続けている葛西水再生センター
 

 処理後の償却灰から高濃度のセシウムが検出され続けている葛西水再生センター

処理後の焼却灰から高濃度のセシウムが検出され続けている葛西水再生センター


国土交通省は今年度上期(4月~9月20日)の全国の下水道処理場等で発生する下水汚泥に含まれるセシウム等放射能物質の核種分析をまとめた。それによると、福島県内の各処理場を除くと、全国の都道府県では東京都の葛西水再生センターで最も高い1kg当たり7800ベクレルのセシウムを検出した。都内の他の処理場でも高濃度を記録しており、東京都において、大気、水質からの放射能汚染が継続していることを裏付けている。

 

調査は今年度から9月20日にかけて、各処理場で発生した焼却灰や、脱水汚泥などに含まれているセシウム等の放射性物質の濃度を測定した。このうちセシウム(134,137合計)については、福島市の堀河町終末処理場で9月15日に検査した乾燥汚泥から77500ベクレルの最高値が検出されている。福島県内の他の処理場でもこれまでと同様、高水準のセシウムが検出されている。

福島以外の都道府県では、これまでも東京都の値の高さが目立っていたが、今年度上半期も、東京・江戸川区にある葛西水再生センターで4月7~8日に測定した焼却灰から、7800ベクレルを検出した。セシウム濃度としては福島の処理場の10分の1だが、たった10分の1しか違わない、ともいえる。同センターでの焼却灰の放射能濃度は、その後も、測定期日によって変動はあるが、直近の9月12日の測定でも、6000ベクレルを記録している。

このほか都内の他の処理場でも高濃度のセシウムが検出されている。江東区の東部スラッジプラントで4月8日に4300ベクレル。足立区のみやぎ水再生センターで7月30日に4200ベクレルなどとなっている。他の関東各県での最高値は、千葉県我孫子市の手賀沼終末処理場で8月27日に4300ベクレル、栃木・宇都宮市の川田水再生センターで8月28日に2116ベクレル、群馬・桐生市の境の水処理センターで1510ベクレル、神奈川は川崎市入江崎総合スラッジセンターで7月29日に1326ベクレルなどとなっており、都内の処理場のセシウム濃度の高さが目立つ。

 

安倍首相は「(放射能汚染の)状況はコントロールされています」「汚染水の影響は完全にブロックされています」と国際公約し、猪瀬東京都知事も「東京の放射能レベルはNY、ロンドンと変わらない」「(福島と)東京は違う」などと、東京の汚染の低さを指摘した。しかし、政府の公表データでもそうした発言が全く根拠のないものであることが、明白になっている。一部からは政府公表データの妥当性(値が低すぎるとの見方)を疑う指摘もあるほどだ。

下水汚泥の放射能蓄積は、雨などが紛れ込んだ河川や生活物資が流れる下水道などの汚染によって生じることから、東京の潜在的汚染度を表すものともいえる。引き続き長期にわたったデータの観測と分析が必要だ。

 

http://www.mlit.go.jp/common/001015042.pdf