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福島いわき市沖のクロダイ 1万2400ベクレルの高濃度セシウム検出(FGW)福島原発港湾外で異例の高濃度

2014-01-12 21:04:50

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kurodaiimagesCAMTCRX6独立行施法人「水産総合研究センター」(横浜)は、福島県いわき市の沿岸で採取されたクロダイから、1kg当たり1万2400ベクレルのセシウム放射能を検出したことを発表した。国が定める食品基準(1kg当たり100ベクレル)の実に120倍以上で、魚の放射能汚染が減るどころか、むしろ体内蓄積が進んでいる可能性を示している。

 

これまで東電の検査などでは、昨年12月の福島原発港湾内に生息する魚類の調査で、13万ベクレルを上回るセシウム値を検出したムラソイなどが見つかっている。しかし、港湾外で1万ベクレルを超える魚類の発見はほとんど例がない。特にクロダイは一般の食卓にも上がる人気の魚だけに、放射能汚染魚への不安が再び消費者の間に広がりそうだ。

同センターはこれまで福島水産試験場と連携して、他の多くの海産魚種と比べて放射性セシウム濃度低下が遅いクロダイの原因を研究している。その中で昨年11月17日にいわき市四倉沿岸(仁井田川河口、福島第一原発から直線距離で37kmほど南)で採取したクロダイ(体長445mm、体重1,399g)から、セシウム134 と137 の合計値で12,400Bq/kg の放射性セシウムを検出した。fukushimakurodaiキャプチャ

 

このため同研究所は、検体のクロダイが放射性セシウムに最も汚染された時期等を詳細に調べている。

 

クロダイは、タイ科の大型魚としては珍しく水深50m以浅の沿岸域に生息し、今回捕獲された仁井田川河口のような汽水域でももよく生息しているという。時には河川から遡上することもあるという。環境への適応力が高く、小魚や甲殻類、貝類など様々な小動物のほか海草なども食べる。

 

福島県水産試験場は、2013 年10 月24 日から11 月18 日にかけて採取されたクロダイ37 尾も、今回のクロダイと同時に検査対象としているが、これらのセシウム濃度は4.87〜426Bq/kgの範囲で、いわき市採取のクロダイが突出している。

 

なおクロダイは、宮城県及び福島県で出荷制限しているほか、茨城県北部でも操業自粛の対象となっている。このため、同研究所はこれらの海域で漁獲されたクロダイが出荷されることはない、と説明している.。だが、たまたま捕獲されたクロダイで高濃度のセシウムが検出されたことは、潜在的な汚染が同海域以外にも広がっている可能性を示しているともいえる。

http://www.fra.affrc.go.jp/pressrelease/pr25/260110/20140110.pdf