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東電福島第一原発 4号機南の汚染水貯留タンクの堰から 新たにストロンチウム含有の漏水50トン 地面に浸み込む(FGW)

2014-01-13 10:41:51

漏えいタンクの堰に施された応急の止水シール。(これは4号機の実例)
漏えいタンクの堰に施された応急の止水シール。(これは4号機の実例)
漏えいタンクの堰に施された応急の止水シール。(これはH5タンクの実例)


東京電力は12日、福島第一原発4号機南側に設置している放射能汚染水の貯留タンクの堰の一部から、汚染水が漏えいしたと発表した。漏えい量は約50t。堰に溜まっていた雨水が漏れたもので、堰の水にはストロンチウム90が1㍑当たり5.9ベクレルの濃度で含まれている。昨年末以降、堰からの汚染水の漏えいが相次いでいるが、東電は十分な対策を講じ切れていない。

 

今回、汚染水漏れが見つかったのは、「G4南」と呼ばれる地上タンク群を囲むコンクリート製の堰。堰の基礎部分の接ぎ目をふさぐために応急に施した止水シールの一部がはがれ、漏えいしたとみられる。堰の水位は前日には7㌢あったが、3㌢まで低下したという。パトロール中の協力企業の作業員が発見した。
東電が暫定的に設定している雨水の排出基準では、ストロンチウム90で10ベクレル未満としているので、それよりは低かった。タンク内の水位低下は確認されていないと説明している。東電は同日、止水シールがはがれた部分を、特殊な樹脂でふさぐ応急的な補修を施した。
福島第一原発の敷地内では、昨年12月22日、堰から約1.8tの水漏れが見つかったほか、同24日にも、別の堰から約225tの水が外部に漏えいしているのが発見されている。

貯留タンク自体が寿命5年前後という簡易型であるうえ、基礎のコンクリートや堰についても、応急工事でしつらえたことから、耐久性がすでに限界に達している可能性がある。しかし東電は、費用のかかる貯留タンクの抜本的な改善を実施しようとしていない。成り行き任せのように映る。