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東電 ロシア報道の大晦日の「福島原発地下爆発説」を否定、3号機の湯気も「懸念無し」と説明(FGW)

2014-01-14 22:09:49

3号機の湯気の原因を説明する東電のイラスト
 

3号機の湯気の原因を説明する東電のイラスト
3号機の湯気の原因を説明する東電のイラスト


東京電力は、ロシア等で「昨年大晦日に福島原発地下で二度の核爆発」との報道が広がったことに対して、「当日、茨城県北部で地震が13回観測されたが、いずれも震源は福島原発ではなく、原発の地下で事故やトラブルはない」と強調した。また3号機で昨年夏から観測されている原因不明の湯気についても、「溜まった雨水の蒸発」との見方を示し、外部への影響はないとしている。

 

昨年末の「地下核爆発説」は、EUの情報メディアのEuropean Union Timesが、ロシア政府の情報として「マグニチュード5.1および3.6を観測した」と報道した(http://financegreenwatch.org/jp/?p=39913 )。これに対して、東電は、12月31日に、近隣で最大マグニチュード5.4の地震を含めて13回の地震を観測したことを認めながらも、震源地はすべて茨城県北部で、福島原発の地下ではないと説明している。

 

また3号機の湯気については、東電自身も昨年7月以来、断続的に発生していることを認めたうえで、湯気の原因は、シールドプラグ(コンクリート製の蓋)の下部に滞留していた雨水などの湿分が、原子炉格納容器(PCV)上部からの放熱によって温められるなどして、シールドプラグの隙間からオペレーティングフロア上に漏れる際に、外部の冷気により冷えて、湯気状になる、との推定を公表した。

 

同時に、湯気の観測はあるものの、原子炉関連温度や原子炉の状況を示す計測値、敷地境界の放射線量を測定するモニタリングポストの値などに異常はないことから、外部への放射性物質の漏れなどの影響は無い、としている。

 

また敷地内の汚染水貯留タンクに近接している観測井戸から、年末に1㍑当たり3万4000ベクレルだったトリチウムの値が、今年の元旦には一気に45万ベクレルまで上昇した点については、過去にタンクから漏えいした汚染水の周辺土壌に染み込みや、年末に一時的に地下水汲み上げ量を減少させたことなどによる影響との見方を示した。同井戸からのトリチウム値は、今月8日には1万7000ベクレルに低下している。

 

しかし、こうした東電の説明に対しては、東電以外に検証できる第三者機関の説明が付されていないことや、他のストロンチウム90が高濃度で検出され続けている観測井戸についての原因分析ができないなど、都合のいい説明に終始しているとの見方もできる。原発収束への不信感と強い懸念を払しょくするには十分とは言えない。

http://www.tepco.co.jp/news/2014/1233520_5918.html