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東電福島原発 7月から「汚染水タンク」月4万トン分増設へ ALPSのトリチウム含有処理水が50万トン発生に対処(各紙)

2014-01-21 11:24:34

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fukushimatank2013082302_02_1b各紙の報道によると、東京電力は20日、福島県楢葉・広野町にあるJヴィレッジで開いた廃炉・汚染水対策現地調整会議において、福島第1原発の汚染水を貯蔵している地上タンク増設のペースを、7月から毎月約4万トン分に増やす方針を示した。

タンク増設を増やすのは、汚染水処理に導入している多核種除去設備(ALPS)による処理水が2014年度中に約50万トン発生する見通しであるため。ALPSは、62種類の放射性物質を取り除くことができるとされるが、トリチウムは除去できないため、現段階では処理水を海洋放出できず、保管する必要が出てくる。

 

東電がこれまで示していた工程表では、汚染水貯蔵タンクの設置は月最大1万5000トン分のペース。地上タンクはこれまで、同原発の敷地内に運び込んだ資材を溶接して設置していたが、完成したタンクを2船団で海上輸送する手法を新たに導入、設置ペースの加速につなげる。

 

1船団当たり5基、月最大7往復まで可能になる見込み。従来の工程表では海上輸送の開始を5月としていたが、1カ月前倒して4月から始める。

 

ただ、年間に50万トンのALPS処理水が発生するとすると、他の汚染水漏れなどへの対応分も含むと、月4万トンペースの増設では足りなくなる可能性もある。また、タンク自体の寿命が設置後5年前後とされており、初期設置のタンクのリプレースも必要になる。

汚染水漏れが心配されるフランジ型タンクから溶接型への移し替えは、11月から始まるが、移し替え完了時期のめどは立っていない。高濃度の汚染水の保管に使用していたタンクは高線量の放射線を放つ。東電は「置き換えたタンクの保管方法や除染が課題」としている。
建屋に入る1日400トンの地下水を抑える対策は進んでいない。事故で破損したとみられる原子炉の冷却のめどをつけない限り、タンク増設だけでは放射性物質の拡散を防ぎきれないリスキーな状況が続くことになる。

 

http://www.minyu-net.com/news/news/0121/news6.html