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東電 福島第一原発周辺に廃炉研究施設整備へ 30年までに(福島民報) 東電自体を「廃社」にする法整備も進めたい

2014-01-23 12:48:03

事故処理修復作業中の第4号機
事故処理修復作業中の第4号機
事故処理修復作業中の第4号機


東京電力は平成30年までに、福島第一原発の廃炉に向けた高度な試験・研究を行う「福島廃炉技術開発センター(仮称)」を同原発周辺に整備する。作業現場で日々発生する課題の解決を目指す実践的な施設で、他の関連施設と連携して廃炉の工程短縮を目指す。

放射性物質が付着した廃棄物の処理を研究する「リサイクルセンター」も設け、新たな産業創出につなげる。

 

 昨年12月に発表した特別事業計画に基づき策定した「先端廃炉技術グローバル拠点構想」に計画を盛り込んだ。
 同センターは福島第一原発近くに新設する。今後、最長で40年程度続くとみられる廃炉作業では、これまで経験のない溶融燃料の取り出しに向けた技術確立が不可欠となる。放射線量が極めて高い原発内を動く作業用ロボットの性能向上も求められる。センターは作業現場で生じる、こうしたさまざまな課題解決を目指す。送電や情報通信などを研究する東電の技術開発センター(横浜市)の分室に位置付ける予定。
 センターで解決できない極めて高度な技術的課題は、日本原子力研究開発機構(JAEA)などが楢葉町に整備する研究・実証拠点「モックアップセンター」などで対応する。
 溶融燃料などの処理・処分技術を開発する「高放射性物質分析のための分析センター」も原発構内か、近隣に整備されることが決まっている。福島第一原発5、6号機では作業訓練などが行われる。廃炉関連施設を同原発周辺に集積することで試験・研究を効率的に進める。
 一方、リサイクルセンターは避難区域の復興事業や開発工事などで発生する金属やコンクリートなどの汚染廃棄物の再利用を研究する。リサイクル品の流通ルート確保や処理後の放射性物質の取り扱いなどが課題となり、国などと連携して解決を目指す。
 複数の研究施設を総合的に機能させるサテライトセンターの設置も検討する。
 ただ、東電の経営環境は厳しく、資金確保が構想実現の鍵を握る。東電福島復興本社は「汚染水を保管する地上タンクの設置など喫緊の対策を優先しながら、構想も着実に進めたい」としている。

■廃炉関係の主な研究施設

福島廃炉技術開発センター(仮称)
 福島第一原発近くに東電が平成30年までに開設する予定。試験・研究施設を設け、廃炉技術の開発をサポートする。

モックアップセンター
 原子炉格納容器を模した実寸大模型での実験を通じ、原子炉の損傷部分特定や補修技術を確立する。日本原子力研究開発機構が楢葉町に整備を進めており、平成27年3月に完成する予定。

福島第一原発5、6号機
 廃炉が決定。1~3号機の溶けた燃料の取り出しに向けた作業訓練を行う。

 

http://www.minpo.jp/news/detail/2014012313448