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日米政府 原発事故リスクの発生確率を 5年後めどに安全規制に導入で合意 (FGW) 確率改善しても損害額増大リスク解消せず

2014-02-22 13:45:01

ほぼ日本全域に放射能をまき散らした東電福島第一原発の事故


ほぼ日本全域に放射能をまき散らした東電福島第一原発の事故
ほぼ日本全域に放射能をまき散らした東電福島第一原発の事故


各紙の報道によると、日米両政府は21日、原子力発電所の事故確率を数値化して日本の安全対策に盛り込む方向で、合意したという。導入するのは「確率論的リスク評価(PRA)」の方式で、事故確率を改善することで安全率を高めるとの論法。ただ、原発事故の場合、発生確率が下がっても、一度、事故が起きると膨大な損害となる可能性があり、「PRAでは十分でない」との指摘が出ている。

 

日米両国の専門家らは、今月20、21の両日、東京で開いた会合で、PRAの考えを議論した。米国ではすでに同方式に基づく原発安全対策を実施している。







 報道では、日本への導入は、5年後を目標としており、日本の実態に合うように見直したうえで、原発規制に導入する方向で検討が進んでいるという。このため、各電力会社は、それまでに所有する各原発について様々なリスクを数値化する作業が求められる。




 PRAによるリスク管理手法は米国のスリーマイル島事故以降に、発展してきた。統計学の確率論の手法では、事故確率が低下すると、いったん事故が起きた場合の損害額をカバーできるとの答えを導き出すことができる。ただ、飛行機事故や交通事故などにはこうした論法は適用できるとしても、原発事故の場合、損害額が膨大に膨れ上がるため、確率の改善だけでは十分なリスク管理を行えない、との指摘が多い。

PRA自体、新しい手法ではなく、特に、日本のように原発が都市部周辺に設置されている地域では、損害額が他の国以上に膨れ上がる可能性が高い。事実、福島第一原発でも、最終的な損害額は10兆円を上回り、100兆円近くに達するとの見方もある。そうなると、PRAは説得力を欠く。