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原発大国フランス、原発発電量に上限設定 現行75%の依存度を2025年には50%へ 日本の原発再稼動にも微妙な影響(各紙)
2014-06-20 18:18:52
各紙の報道によると、フランスは原子力発電依存度を大幅に引き下げる方針を決めた。総発電量に占める原発比率は現在は先進国最高の約75%だが、これを2050年までに50%に引き下げる。代わりに再生可能エネルギー発電を20205年までに発電量の40%に引き上げるなどして、最適な”エネルギーミクウス”を実現する。
原発比率の低下は、フランソワ・オランド大統領の選挙公約の一つ。社会党政権は原発依存の低下を柱とした「エネルギー転換法」をまとめ、成立に力を入れる。社会党は、党内左派や、連立先の緑の党などから、原発政策の見直し圧力を受け続けており、また隣接するドイツが原発撤廃宣言とともに再生可能エネ市場ではEUを主導する地位を獲得していることもあって、「次世代」への出遅れ感を払拭したいとの思惑もあるようだ。
フランスの原発比率引き下げは、東電福島第一原発事故以来、全面停止状態にある国内原発の再稼動推進を狙う安部政権にとっても、少なからぬ影響を及ぼしそうだ。
ただ、フランス国内にも、原発発電縮小に批判的な勢力は経済界を中心として少なくない。再生可能エネ発電へのシフトは、欧州で電力料金が最安値の部類に入っているフランスの経済的優位性を壊すことになるとの半端ツンもある。
社会党政権のエネルギー相、セゴレーヌ・ロワイヤル氏は「我々は原子力発電を廃止するわけではないが、(エネルギーミックスにおける)割合を下げなければならない」と述べている。
導入される新法は原発の発電量に、現行水準を上限とするシーリングを設ける。63.2GW(ギガワット)が上限となる。ただ、国内に58基ある原発のどれを閉鎖するか等の具体策については明らかにされていない。
非原子力の再生可能エネルギー発電については、2025年までに発電量の40%、2030年までにエネルギー消費量全体の32%に引き上げる目標を定める。また、2012年の水準と比べ、化石燃料の消費を2030年までに30%、エネルギー消費全体を2050年までに50%削減することを掲げている。