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東京電力 福島第一原発の汚染水海洋流出を確認 港湾内海水からセシウム100ベクレル超 「コントロールできていない」と認定 福島県漁連に説明(FGW) 

2014-06-28 01:13:35

基準超過のセシウム濃度が検出される港湾内
基準超過のセシウム濃度が検出される港湾内
基準超過のセシウム濃度が検出される港湾内


東京電力は福島県漁連組合長会議の説明の中で、「護岸付近や発電所港湾内の水の分析結果から、汚染水が海に流出していることが分かった」と明記した。安倍首相が「原発は完全にコントロールされている」とした国際公約への疑念はこれまでも出ていたが、東電自体がコントロールできていないことを認めたことになる。

 

東電は組合向け資料の中で、「護岸付近の地下水観測孔や発電所港湾内の水の分析結果から、汚染水が海に流出していることが分かりました」としたうえで、汚染水の現状を踏まえて、「抜本対策」と「緊急対策」をあわせて実施する、と説明した。

東電が「コントロールされていない理由」としてあげた地下水観測井戸の汚染濃度は、ウェルポイント汲み上げ汚染水では、ストロンチウム90等を含む全ベータ値が1㍑当たり15万ベクレルと高濃度を示したほか、トリチウムも42000ベクレルだった。またNo1-6井戸では、6月16日に、セシウムが過去最高レベルの27400ベクレルを検出した。3-3井戸でも6月26日にセシウム490ベクレル等を検出している。

原発隣接の港湾は「コントロール」されていない
原発隣接の港湾は「コントロール」されていない


 

また原発隣接の港湾内(シルトフェンスの内側)の海水からは、今年3月から測定を始めた1~4号機取水口内南側(遮水壁前)で、5月19日にセシウム濃度が60ベクレルだったのをはじめ、同地点では、常時、50-60ベクレルの濃度を検出している。また東波除堤北側の海水の濃度も、5月19日に53ベクレルを検出した。同付近では昨年10月11日には、104ベクレルを検出している。

 

こうした検出データから、東電は汚染水がコントロールできていないことを、”公式に”認めた形だ。その一方で海洋の汚染状況については、「影響は限定的」としている。しかし、港湾内の海水は、シルトフェンスでは港湾外との出入りを防ぐことはできない。港湾内の汚染海水の周辺の影響についてデータに基づいた分析を示さず、単に「限定的」と断定する姿勢は、国民の不信感を高めるだけだろう。