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東電福島第一原発 3年前の事故以来、潮位計が壊れたまま。先週の地震・津波でも潮位を測れず。「さらなる地震・津波」に無防備な体制を露呈(各紙) 

2014-07-13 23:53:32

fukushimadai1-2キャプチャ

fukushimadai1-2キャプチャ各紙の報道によると、今月12日午前4時20分ごろ、福島沖で震度4の地震が発生した際、福島などの東北地方の太平洋岸で30センチ前後の津波が観測された。その際、東北電力の女川原発などはいずれも潮位計の計測で影響がなかったことが確認されたが、東京電力の福島第一原発だけは3年前の事故で潮位計が壊れたままで、観測できていなかったことがわかった。


 

今回の地震によって、起きた津波は女川原発では、午前5時22分頃、約10センチの潮位を観測、福島にある東電の福島第二原発では、約30センチを観測したという。いずれも、影響を受けるほどの潮位ではなかったことが確認された。

 

ところが、事故処理が続く福島第一原発では、3年前の東日本大震災で潮位計が壊れたままで、東電は代替の装置に切り替えていないため、潮位を観測できなかった。しかし、福島県には津波注意報が発表された。このため東電は、作業員に対して護岸付近に近づかないよう指示を出したという。

 

今回の地震、津波とも、相対的に規模が小さかったことから、太平洋沿岸にある原発や原子力関連施設で異常は生じなかったと報告されているものの、福島第一原発では、3年前と同様の地震・津波が発生した場合、原発を襲う潮位を確認できず、作業員の安全に支障をきたす懸念があることが明らかになった。
東電は汚染水処理等に多額の費用を投じているが、「さらなる地震・津波」を想定していないことになり、地震の教訓を全く生かしていない無防備な体制をさらけ出した形だ。今回も結果的に異常がなかっただけと言わざるを得ない。