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福島県内の中間貯蔵候補地 廃棄物搬出後、地元に返還の政府案 最終処分地化の懸念に配慮。 だが効力に疑問(福島民報)

2014-07-14 10:22:43

もって行き場のない除染後廃棄物
もって行き場のない除染後廃棄物
もって行き場のない除染後廃棄物


東京電力福島第一原発事故に伴う除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の候補地について、政府はいったん買い上げて国有化し、全廃棄物を県外の最終処分場に搬出後、地元に返還する案を検討している。自民党の大島理森東日本大震災復興加速化本部長が13日、会津若松市での講演で明らかにした。

大島本部長は「さまざまな知恵を政府で考えてもらっている」と語り、案がまとまり次第、佐藤雄平知事や候補地のある大熊、双葉両町長らに説明する考えを示した。

 
自民党県連の「ふくしま再興政治塾」で講演した大島本部長は、中間貯蔵施設の廃棄物が政府の条件通りに30年以内に県外で最終処分された後、施設候補地の取り扱い案について「(候補地は)国の名義になっているが、(県外搬出を終えた)その時には、地元に返すというアイデアを固めつつある」と述べ、故郷への帰還を望む住民に配慮する考えを強調した。

 
一方、候補地の貸借について大島本部長は民法上の借地権の期間は基本的に20年になっており、30年近く廃棄物を借地で保管するのは困難との認識を示した。

 
中間貯蔵施設をめぐっては、最終処分場への移行を懸念し、候補地の貸借を求める地権者の要望は多い。政府は土地返還案の提示によって最終処分場にならないと強調し、地元に理解を求めるもようだ。ただ、政権政党が替われば方針が変更される懸念がある。国有化後に必ず返還するよう法的担保などを求める声は強まるとみられる。

 
◇  ◇
大島本部長は講演で、今月末にもまとめる復興に関する政府への党提言に関し、「自立」と「コミュニティーの再生」を柱にする考えも明らかにした。

■政府案に具体的コメント避ける 大熊、双葉町長

大島本部長が中間貯蔵施設建設地を将来的に地元に返還する案を検討していると明らかにしたことについて、建設候補地のある大熊町の渡辺利綱町長は「賃貸借などいろいろな選択肢を検討している中の一つと思う。中間貯蔵後の跡地利用や原状回復の問題などもあり、現時点でどうと言える状況ではない」と語った。

 

双葉町の伊沢史朗町長は「政府から直接聞いていないのでコメントできない」とした。
県生活環境部の担当者は「候補地の取り扱いについて、国は住民説明会で出た意見を受け止め、地域振興策などと合わせて迅速に対応してもらいたい」とコメントした。

 

http://www.minpo.jp/news/detail/2014071416861