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指定廃棄物処分場、栃木県は塩谷町。地元反発。 環境副大臣、地域振興費増額に含み 「最後は金目」路線で抑え込みか(各紙) 

2014-07-30 23:07:12

shioyachouキャプチャ
shioyachouキャプチャ各紙の報道によると、東京電力福島第一原発事故で発生した指定廃棄物の最終処分場問題で、環境省は栃木県の候補地として塩谷(しおや)町の国有地を選定した。これに対し、同町の見形和久町長は「塩谷町は美しい水や自然があり、残念だ」と難色を示した。環境省の井上信治副大臣は、処分場地域の振興費を「硬直的にならず、柔軟に対応していきたい」と述べ、増額する意向を示し、最後は「金目」で押し切る考えをみせた。

環境省は最終処分場受入れ地域への振興費として、これまでは宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の5県で一律50億円としていた。最終処分場は宮城、千葉、群馬、茨城、栃木の五県に国が一カ所ずつ整備する方針で、候補地を一カ所に絞ったのは栃木県が初めて。増額方針は他県での合意を、「金目」で促す意味も込められているようだ。

 

この日、塩谷町の町役場前には、朝から地域の農家らが集まり、最終処分場建設反対の声を上げるなど混乱が起きた。塩谷町では東電福島原発の事故による汚染廃棄物はほとんど発生していない。このため、栃木県内の他地域の浄化のために、同町に汚染物質が持ち込まれることになり、住民たちは違和感をぬぐえない状況にある。

 栃木県の候補地選定をめぐっては、民主党政権時の2012年9月、矢板市の国有林をいったん選んだ。その際、国は選定過程を明かさず突然提示したため、矢板市や地域住民の反対運動が高まって紛糾、安倍政権になった昨年2月、選定作業のやり直しを決めた。



 今回の選定作業では、国有林のほかに県有林も選定対象に加え、市町で差がある廃棄物の保管量を考慮するなどとともに、地元の反発を避けるため水面下で選定を進めてきた。環境省は、現地のボーリングなど数カ月の詳細調査をした上で、正式決定する方針で、決定の前に、地元への説明の場も設ける予定だが、町だけでなく、住民側の同意を受け入れられrるかは極めて流動的だ。



 塩谷町は栃木県中部にあり、人口約1万2000人。町の約6割が山林で、清水の豊富な町として知られる。町内にある「尚仁沢(しょうじんざわ)湧水」は環境省の名水百選にも選ばれている。