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日立製作所 放射性廃棄物の放射線量減衰期間を短縮できる資源再利用型原発開発で、米3大学と共同研究へ 日本の原子力ムラでは力不足?(FGW)

2014-08-31 22:14:47

hitachinewnuke0828
日立製作所は、原子力発電で生じる放射性廃棄物の一つである超ウラン元素(Transuranium Element、TRU)を燃料とする資源再利用型沸騰水型原子炉(Resource-renewable Boiling Water Reactor、RBWR)を開発する目的で、米国マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学バークレー校の3大学と共同研究を開始した、と発表した。

日立と日立GEニュークリア・エナジーは過去にも3大学とRBWRについて研究を進めてきた経験を持つ。今回、各大学との協力で原子炉の性能・安全性評価などを行うことで、実用化に向けた知見を高めることを目指すという。

 

図 RBWRの概要

図 RBWRの概要

 

  原発で使用されたウラン燃料には、有害度(放射能に人体への影響を加味したもの)の高いTRUが含まれているため、使用済燃料の有害度が天然資源であるウラン鉱石と同程度まで減衰するのに約10万年かかるとされている。そこで使用済燃料から、TRUを含まない放射性廃棄物にすることができれば、その減衰の時間を数百年まで短縮できる。


このため、国内外でTRUを核分裂させることのできる原子炉の研究開発が進められており、日立は、その解決策の一つとして、現在の商用炉である沸騰水型原子炉(BWR)の技術をベースに、使用済燃料から分離・精製したTRUを、ウランとともに燃料として利用できるRBWRの開発を進めている。


RBWRは、TRUを核分裂させるため新たな炉心燃料を使用するが、安全システムやタービンなどの炉心以外の部分は、現在のBWRと同じものを使用できるというメリットがある。


  日立と米3大学は、これまでも2007年から2011年にかけてRBWRに関する共同研究を行い、TRUを核分裂させる性能や安全性などを共同で評価してきた。今回の研究では、これまでの研究で得られた知見を踏まえて、各大学で開発された解析手法を用いて、原子炉の性能や安全性などを評価するとともに、実用化に向けた試験計画などを検討するという。


http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2014/08/0828.html