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原子力規制委 東電福島第一原発のALPS処理後のトリチウム入り処理水を希釈・海洋放出を中期目標に(FGW) 

2014-12-24 23:09:38

田中委員長
田中委員長
田中委員長


原子力規制委員会は24日に開いた会合で、東電福島第1原発が抱えるリスクを下げるため、今後5年程度で優先的に解決を目指す中期的リスク軽減の目標マップのイメージを公表した。

 

その中で、汚染水問題については、汚染地下水の海洋流出防止を課題に挙げる一方で、多核種除去設備(ALPS)で処理した水を貯蔵するタンク群が増え続けている問題については、「タンク総容量の増加抑止・安定化」を優先課題として掲げた。そのうえで5年後の目標として、「貯蔵液体放射性廃棄物総量の削減」を明記した。

これは、今後のALPS処理水によって増える貯蔵水をこれまでのようにタンクに貯蔵し続けて、タンク総容量を増加させるのではなく、処理後に海洋放出する方向性を意味する。

しかし、ALPS処理後の水には、除去できないトリチウムが残る。このため国際的にもトリチウムの大量放出は近隣諸国だけでなく、海洋の生態系汚染を広範に拡大するとして懸念が示されてきた。このため東電もこれまでは一貫して「関係者の同意なしに海洋放出しない」との姿勢を保ってきた。

こうしたこれまでの慎重姿勢に対して、この日会見した田中俊一委員長は「廃炉は汚染水問題を抜きには進まない。処理水をタンクにためておく方が危険だと、海外の専門家からも指摘されている」と述べ、海洋放出を示唆した。

 

http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0047_04.pdf