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東電福島第一原発、汚染雨水が再び海に流出、今年6回目。東電、有効な流出防止策を講ぜず(RIEF)

2015-09-07 22:57:58

fukushimakhaisuiキャプチャ

東京電力は7日、福島第一原発のK排水路で、放射性物質を含む汚染雨水が外洋に流出したと発表した。 東電によると、汚染雨水が流出したのは、7日午前2時55分から4時6分までの1時間10分の間。降雨の影響で、雨水が排水路の堰を越えて外洋に流れ出たことを確認したという。

外洋に直接つながるK排水路は4月から雨水をポンプでくみ上げて港湾内に流しているが、大雨でくみ上げが間に合わなかった。流出の疑い例を含め汚染雨水の流出は6回目。流出量は不明。

 東電はこれまで、ポンプのくみ上げ能力を上回る大雨で流れ出る可能性は年4~5回と説明していた。しかしすでに今年はそれを上回り、今後も「短時間の豪雨で容量を超えるケースを想定していなかった」として、流出が続く可能性を示唆した。

 

  東電は再三の雨水の流出に対しても、抜本的な流出防止策を講じようとはしていない。流出量の測定も行っていない。それに対して政府は監督機能をまったく果たしていない。こうした状況は実は今年だけではなく、事故以来、毎年続いてきたと想定される。有効な防止対策を立てないのだから、あえて汚染水の流出を放置しているといわれても仕方がない。

 

 K排水路排水口付近で7日、採取した水からは、セシウム1㍑当たり510ベクレル、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物資が650ベクレル検出された。前日の6日の測定ではそれぞれ26.1ベクレル、39ベクレルだったから、一気に濃度が一ケタ上昇したことになる。

 

 これまでの流出でも同様の放射性物質の濃度上昇がみられた。8月18日の流出では、K排水路出口で採取した水からは、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1㍑当たり420ベクレル検出された。セシウムは137が270ベクレル、同134が70ベクレルだった。

 また7月16日の流出では雨水の放射性物質濃度は、セシウム134が1㍑当たり160ベクレル(法定基準60ベクレル)、セシウム137が670ベクレル(同90ベクレル)だった。いずれも流出量は不明という。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2015/images/k_drainage_15090701-j.pdf