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土壌汚染対策の民間認証制度、埼玉県の物流施設に第一号の認証賦与。土地再生推進協会(RIEF)

2016-02-18 01:29:46

FINEVキャプチャ

 

 土壌汚染対策の認証評価を行う一般社団法人土地再生推進協会(APR:東京)は、埼玉県さいたま市で開発中の物流施設に対して、同協会として第一号となる「シルバー」認証を与えた。

 

 APRは、土壌汚染対策法に指定基準が定められている対象物質の健康被害や敷地外漏えいの可能性等を評価し、当該土地の汚染度の管理状況を4段階で民間認証する仕組みをひろめることで、土地取引の円滑化を図るために昨年2月に設立された。

 

 

 初めて「安全」認証を得た土地は、物流不動産に特化した管理会社のシーアールイー社(東京)がさいたま市に持つ「ロジスクエア浦和美園」(敷地面積24,094.97㎡)。今月着工し、地上4階建てで総面積52,313.92㎡の倉庫を建設する。来年4月に完成予定。

 

 シーアールイーが得たシルバー認証は、APRの4段階認証制度では、上から3番目のランク。自然由来の汚染や軽微な汚染で敷地外の漏えいや健康被害の恐れがない状態であることが認められた。

 

CRE2キャプチャ

 

 

 APRで最上位はプラチナで、土壌汚染対策法に基づく指定物質の土壌汚染が確認されない、という認証を得ることができる。次いで、ゴールド認証は自然由来の土壌汚染はあるが敷地外の漏えいや健康被害がない状態であることを認証する。ブロンズは、同法に基づいて汚染対策を実施済で、敷地内に「管理された土壌汚染」があるという認証となる。

 

 国際的にはシルバーまでは「汚染がない、または浄化を求められないレベル」と認定される。認証が得られると、土地取引において共通の指標となり、情報共有の不備による取引の遅延や紛争を未然防止できることになる。また保険加入がスムーズに行える。

 

 

 当該の「ロジスクエア浦和美園」の土地は、APRの認証評価以外に、入居テナントのBCP対応、全館LED照明や壁面緑化などの環境対応ではCASBEE埼玉県のAランク評価、建築物の省エネ性能基準である国交省のBELS認証も取得する予定という。

 

 土壌汚染は大気汚染や水質汚染のように、目視で確認できる範囲が極めて限られている。土地の汚染・浄化情報が不十分だと、土地取引そのものが停滞してしまうリスクを抱えている。過去の工場等の操業によって汚染が残っていた場合も、一定の浄化対策をとることで健康被害を防ぎく、敷地外に漏えいしない状況になれば、経済的な利用は可能となる。

 

 これまではそうした汚染・浄化に関する情報を第三者的に評価する仕組みがなかったが、こうした認証制度が広がると、土地取引上のコストが明確化して、土地利用がスムーズになる期待が高まる。

http://property-revital.org/images/download/apr-doc20151203.pdf

http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1330058