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日本エアーテック社、初の「サステナブル新株予約権」発行。発行額9億7600万円。野村證券が引き受け、日本総研がセカンドオピニオン付与(RIEF)

2020-03-26 14:40:54

airetech2キャプチャ

 

  クリーンエアシステムを提供する日本エアーテック社は、資金使途がグリーン&サステナブルな事業に充当される新株予約権を発行する。新株予約権活用のサステナブルファイナンスは世界でも初めてのケースだ。発行額は9億7600万円。野村證券が第三者割当分を全額、FITs(Flexible Issuer’s Transactions)として引き受ける。資金使途は新工場の建設や研究開発費等に充てる。資金使途のサステナブル性については、日本総合研究所がグリーンボンド原則(GBP)等への適合性を評価したセカンド・オピニオンを付与した。

 

 同社は、業務用空気清浄装置等の専門メーカーで、塵・埃や菌・ウイルスを制御するクリ ーンエアーシステム等を中心に設計、製造、 販売等を展開している。目下のコロナウイルス感染も、クリーンシステム需要につながる期待もある。

 

 さらに今後、自動運転技術や5G、再生医療、 食の安全志向等で、一段と清浄度空間への需要が高まると判断。今回のエクイティファイナンスで埼玉県越谷市に新工場を建設するほか、研究開発費、本社隣接地でのショールームと事務所建築に係る設備投資等に充当する方針だ。

 

新株予約権の仕組み
新株予約権の仕組み

 

 

 新株予約権の発行数は1万2000個で、発行価格は1個560円、当初行使価格は860円、行使の都度、各行使請求の通知日の直前取引日終値×90.5%に修正する。下限行使価額は572円(発行決議日終値×70%)と設定されている。

 

 通常の株発行の場合は、既存株主保有株の希薄化問題が生じる懸念がある。社債等の発行の場合は、調達した資金が「負債」となるため、財務の健全性が低下するリスクがある。これに対して新株予約権では、行使の分散や下限行使価額の設定等の仕組みで株価への影響の軽減が期待できるほか、既存株主にとっても将来の株価上昇メ リットを享受できる期待がある。

 

 日本総研は今回のFITs新株予約権について、GBP等との整合性を検証したほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標及びターゲットへの貢献についても適合評価を付与した。

http://www.airtech.co.jp/newsite/wp-content/uploads/2020/03/shinkabuyoyakuken.pdf

http://www.airtech.co.jp/newsite/wp-content/uploads/2020/03/200310_hosokushiryo_v8.pdf

https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/nsc/20200326/20200326.pdf