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東京大学、初の大学債は「ソーシャルボンド」200億円。資金使途は「ポストコロナ時代のグローバル研究開発」に充当。主要生命保険のほか、私立大学等も投資表明(RIEF)

2020-10-09 00:16:26

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 東京大学は8日、日本の大学として初となるソーシャルボンド(東京大学FSI債)を16日に発行すると発表した。発行額は200億円、期間40年の長期債となる。10年間で1000億円を発行する計画の第1弾。調達資金は最先端の研究施設整備やキャンパスの感染症対策、オンライン教育体制の整備等に充てる。

 

 6月に国立大学が債券を発行するための関連法令が緩和されたの受けた対応で、国立大学としては第1号。私学を含めて日本の大学で、グリーンボンドやソーシャルボンド等を発行するのは初めてといえる。債券の償還は、研究の成果ではなく東大全体への寄付金等を利用するとしている。https://rief-jp.org/ct4/105857

 

 利率は0.823%。引き受け主幹事は、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券の3社。ボンドの社会性については、日本格付研究所(JCR)が、東大が定めたソーシャルボンドフレームワークが、ICMAのソーシャルボンド原則(SBP)に適合すると付与した。債券野信用格付は、格付投資情報センター(R&I)が「ダブルAプラス」、JCRが日本国債の格付を上回る「トリプルA」を付与している。

 

 略称の「FSI債」は、2017年7月に設置した、総長を本部長とする「未来社会協創(FSI:Future Society Initiative)推進本部」を踏まえている。FSI事業が目指す方向性は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念と合致するとしている。今回の調達資金の使途は、社会変革を駆動する力を高めるFSI事業に充当するとしている。

 

 東大では、「ポストコロナ時代の新しいグローバル戦略を踏まえた研究の推進」、「安全、スマート、インクルーシブなキャンパスの実現」を通じて、より良い未来社会の創造のために活用していく、とコメントしている。

 

 同債券に投資を表明した45の投資家は、日本生命などの生保等の機関投資家が中心だが、上智大学、日本女子大などの私学も複数名乗りを上げた。

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400147154.pdf

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400147529.pdf

https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400147035.pdf