EUの排出権取引制度（EU-ETS）のクレジット（EUAs）価格が19日、インターコンチネンタル取引所（ICE）市場で、制度発足以来の最高値である96.750ユーロを一時、付けた（その後、97.67ユーロにまで上昇）。EUAs価格は、2月末のロシアのウクライナ侵攻後に、一気に下落、一時は60ユーロを下回っていた。だが、戦況の長期化の一方で、ロシアからEUへの天然ガス供給削減に対応するEU側の政策が出たこと等から、徐々に回復基調にあった。

 

　EUAs価格の上昇は、戦争終結のメドがつかないことから、ロシアのEU向け天然ガスの輸出削減の長期化も不可避との見方が市場に広がっていることを映す。ガス火力の燃料確保の困難さから、冬場の暖房需要や電力需要をカバーするために、短期的には石炭火力発電へのシ……

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