HOME10.電力・エネルギー |デンソー。Scope3削減目標を初設定。2030年度までに25%削減(2020年度比)。SBTi認定を取得。同社のScope3排出量は、排出量全体の97%を占める(RIEF) |

デンソー。Scope3削減目標を初設定。2030年度までに25%削減(2020年度比)。SBTi認定を取得。同社のScope3排出量は、排出量全体の97%を占める(RIEF)

2023-08-21 16:54:53

Denso002キャプチャ

 

 デンソー(愛知県刈谷市)は、温室効果ガス(GHG)排出量削減目標として、新たにサプライチェーン等の排出量を含むScope3の目標を設定した。「2030年度までにサプライチェーン全体で排出されるCO2を2020年度比で25%削減」というもので、民間の認証団体SBTiの認定を取得したしている。2030年度のScope3目標の設定に合わせて、2050年度までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラル達成目標も改めて掲げた。

 

 デンソーのGHG排出量は2021年実績で、合計677万6000㌧(前年度比約2.5%減)。このうち、Scope1は60万2000㌧(1%)、Scope2は133万6000㌧(2%)で、残りの97%に相当する6578万8000㌧がScope3の排出量となる。今回設定した30年度までのScope3の25%削減目標に基づくと、削減量は1736万1000㌧となり、現行のScope1+同2の合計排出量の約9倍分を減らすことになる。それでも、Scope3排出量はその3倍の5208万3万㌧の排出が続くことになる。

 

デンソーの2021年度の排出量の内訳
デンソーの2021年度の排出量の内訳

 

 同社では今回のScope3排出量目標の設定に伴い、SBTiからSBT認定を取得し、30年度の削減目標が「2050年度までのカーボンニュートラル目標」の達成につながるとの認定を受けた。

 

 30年度目標の達成のための手段としては、多くのサプライチェーン取引企業との間でCO2排出削減のための積極的な対話を通じて、同社の省エネ技術のノウハウ提供や、取引先企業の実態に応じて、再エネ電力の供給や、低CO2資材等への変更などの支援を行っていく、としている。

 

 取引先企業との「共同作業」によってサプライチェーン全体での排出削減を推進することで、デンソーが同チェーンから調達する部品および原材料の製造過程で排出されるCO2を排出量を削減する。デンソー自体は、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCEV)等の電動車関連の製品・システムの開発を通じ、自社製品が搭載されたモビリティ利用時のCO2排出量を削減するとしている。



 デンソーは、自社のGHG排出削減については、2016年のアクションプラン「デンソーエコビジョン2025」等による削減活動等を元にして、2020年末に「2035年度までにカーボンニュートラルの実現」目標に掲げた。同目標の実現に向け、2025年度までに電力の再エネ転換のほか、ガス利用についてもカーボンクレジットを活用したカーボンニュートラルを実現、2035年度までには電力とガスの両方でクレジット無しでの完全なカーボンニュートラルを目指している。

 

 これまでのところ、2021年度に安城製作所、2022年度に西尾製作所、広瀬製作所、デンソー福島、さらに欧州全域でカーボンニュートラルを達成している。また自動車用部品の開発で培った技術を活かし、CO2を回収して再利用する技術や水素を利活用する技術の確立と普及を目指しているとしている。


https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2023/20230810-01/

https://www.denso.com/jp/ja/about-us/sustainability/library/environment-data/