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サントリーホールディングス。グリーンボンド約200億円を11月中にも発行。資金使途は、天然水・ウイスキー等の製造工場へのグリーン水素導入等を目指す(RIEF)

2023-10-27 22:34:00

Suntory001キャプチャ

写真は、山梨県のサントリー白州蒸溜所)

 

  サントリーホールディングスは、11月中に、グリーンボンドを最大200億円分、発行すると発表した。資金使途は山梨県にある「サントリー天然水」製造の南アルプス白州工場およびサントリー白州蒸溜所に、同県がP2G(パワー・ツー・ガス)システムで開発するグリーン水素の導入資金等に充当するとともに、ビールやウイスキーの製造時の排水を活用したバイオガス関連プロジェクトの資金等にも充当するとしている。「グリーンな天然水」「グリーン・ウイスキー」等につなげる狙いのようだ。

 

 発行するグリーンボンドは期間5年。資金使途は、グリーン水素やバイオガスの導入費等のほか、自社工場のエネルギー使用量の削減(省エネ)のための設備投資、再エネ由来の電力の調達費用(再エネ証書の購入)等を想定している。主幹事は、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、BofA証券の3金融機関。みずほがストラクチャリングエージェントを務める。発行時期、条件等は11月中旬ごろに決定する見通し。

 

 サントリーはグループの「環境ビジョン2050」で、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにする目標を立てている。2030年までの排出量も50%削減としている。こうした目標達成のために、日本、米欧等での全ての自社生産研究拠点で購入する電力の100%の再エネ化や省エネ化等を推進している。

 

   山梨県から購入するグリーン水素を使って、サントリーの2工場で使用する熱エネルギーの燃料をグリーン水素へ転換するほか、同県と連携し、周辺地域などでのグリーン水素活用も進めるとしている。バイオガス関連プロジェクトは、排水からエネルギーを回収し、化石燃料を使用する従来型のボイラーをバイオガスボイラーに置き換えることで、製造過程で排出されるGHGを大幅に削減することを目指す。

 

 セカンドオピニオンは、ムーディーズがサントリーのサステナビリティフレームワークに対して、資金使途特定型債券(グリーンボンド)について、5段階のサステナビリティ・クォリティスコア(SQS)で最上位から1つ下の「SQS2」を付与した。グリーンボンドの資金使途先については、4段階区分で「ベストプラクティス」の次の2番目の水準とし、「サステナビリティへの貢献度」では、5段階の最上位に、それぞれ位置付けた。

 

 同社はサステナブルファイナンス・フレームワークで、同社にとってのサステナビリティの重要テーマとして、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、目標6「水・衛生」、目標3「健康・福祉」、目標12「責任ある生産・消費」、目標13「気候変動」の4つを選定している。特に、同社の事業活動にとっての重要な原料である水のサステナビリティには、「水と生きる」をコーポレートメッセージに掲げ、最優先で取り組むとしている。

https://www.suntory.co.jp/company/csr/env_management/greenbonds/

https://www.suntory.co.jp/news/article/14481.html?fromid=top

https://www.suntory.co.jp/company/csr/highlight/SPO.pdf

https://www.suntory.co.jp/company/csr/env_management/greenbonds/pdf/detail.pdf