HOME4.市場・運用 |世界の平均気温。先週末の一日当たりで、すでに産業革命前以来「2℃」水準を突破。17、18の両日で「2℃超え」。地球の温暖化は、これまでの予想を上回るペースで進行中(RIEF) |

世界の平均気温。先週末の一日当たりで、すでに産業革命前以来「2℃」水準を突破。17、18の両日で「2℃超え」。地球の温暖化は、これまでの予想を上回るペースで進行中(RIEF)

2023-11-21 12:51:29

AnomalyF_VBApBWcAAL_b8

 

 世界の一日当たりの平均気温が、初めて産業革命前から2℃を突破したことがわかった。 欧州の「欧州中期予想予報センター(ECMWF)が公表した。それによると、今月17日の気温は、2℃を上回る2.07℃だった。翌18日も2.06℃で、2日連続して「2℃超え」となった。パリ協定では気候変動の激化を抑えるため、世界の気温上昇を「2℃より十分に低く抑える」ことを目標としているが、実際の気温の上昇ピッチは、これまでの予想よりも速いペースで高まっていることが、実際の観測データで示された形だ。

 

 ECMWF(European Center for Medium-Range Weather Forecasts)によると、11月17日の世界の平均気温は産業革命前とされる1850~1900年の平均気温より2.07℃高く、18日もほぼ同様の2.06℃高だった。同機関では、2日連続での「2℃超え」は、地球の温暖化が早く進行していることを示すとともに、パリ協定の目標は20年~30年の長期的な平均気温を元にして設定しているので、一日や、月、年単位の変動で変更することはないとしている。

 

一年間を通じても、今年は過去最高に「暑い年」となる見通し
一年間を通じても、今年は過去最高に「暑い年」となる見通し

 

 しかし、今年の世界の気温の変化は例年にないほど高い水準が続いている。6月から10月までの世界の平均気温は、5カ月連続で、観測史上過去最高の気温を記録した。今月(11月)も同様の水準になる可能性が高い。すでに年間でも過去最高に「暑い年」となることが確実視されている。

 

 今月17日の世界の平均気温は、直近の1991~2020年平均に比べると、1.17℃高く、同日としては、過去最高の気温の高い日でもあった。日平均気温のデータは速報値で、今後修正される可能性があるとしている。

 

 この夏の熱波は、日本や中国、米欧等の北半球だけでなく、「冬」だった南米、南アフリカ、南極等の南半球でも記録的な暖冬となるなど、地球全体を覆った。今年は太平洋東部の赤道付近でエルニーニョが発生したことも、気温上昇に拍車をかけているとみられる。だが、今年のエルニーニョの影響は過去の発生に比べて、飛びぬけて大きいとは、されていない。新型コロナウイルス感染の影響から脱して世界中で経済活動が従来以上に活発化したことで、人間活動による温室効果ガス(GHG)の発生量が一段と増大したことが気温上昇に敏感に影響したとみられる。

 

https://www.ecmwf.int/en/publications/newsletters

https://www.copernicus.eu/en/access-data/dias

https://www.axios.com/2023/11/20/earth-2c-warming-threshold-passed-report