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地球の大気中のCO2濃度上昇止まらず、400ppm台入り。年間でも定着へ。2℃上昇抑制に、あと50ppmしか余裕なし。環境省、JAXAなど観測(RIEF)

2016-05-21 17:18:42

ibukiキャプチャ

 

  環境省、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによる人工衛星を使った観測で、地球全体の大気中の二酸化炭素(CO2)の月平均濃度が初めて400ppm(ppmは100万分の1)を上回ったことがわかった。

 

 地球温暖化は着実に加速していることが改めて確認された。温室効果ガス観測衛星「いぶき」の観測データで明らかになった。

 

 「いぶき」は2009年から、高度70kmまでの大気中のCO2濃度を継続的に測定している。最新のデータ解析で、2015年12月の月平均濃度が400.2ppmと初めて400ppm台に突入した。

 

 また年明けの1月も401.1 ppmとなった。北半球の冬季から春季にかけてCO2濃度の増加が顕著に観測された。

 

 これまで世界気象機関(WMO)などによる地上の観測点でのCO2月平均値では、すでに400 ppmを超えていることが観測されている。だが、地表面から大気上端(上空約70km)までの大気中でも400 ppmを超えていることが確認されたのは初めて。

 

 

 今回の観測データで、地表面だけでなく地球大気全体で温室効果ガスの濃度上昇が継続的に続いていることがわかった。

 

 推定経年平均濃度は今年1月時点で399.6 ppm。このままの上昇傾向が続くと、3月頃には400 ppmを超えた可能性がある。短期間でCO2濃度を有意に減少させる対策や現象が起きない限り、現在の地球大気のCO2濃度は400 ppm台に突入したといえる。

 

 

 「いぶき」観測データから解析・推定した「全大気」のCO2の月別平均濃度とそれに基づく推定経年平均濃度の速報値を、国立環境研究所「GOSATプロジェクト」の「月別二酸化炭素の全大気平均濃度 速報値」のページhttp://www.gosat.nies.go.jp/recent-global-co2.html公開されている。

 

 http://www.env.go.jp/press/102550.html