HOME8.温暖化・気候変動 |野村総研、国内でグリーンビルディング対象のグリーンボンド発行へ。今秋に。円建てで150億円規模(各紙) |

野村総研、国内でグリーンビルディング対象のグリーンボンド発行へ。今秋に。円建てで150億円規模(各紙)

2016-06-21 11:06:20

nomurasoukenキャプチャ

 

 各紙の報道によると、野村総合研究所は今秋にも、自社所有予定のオフィスビル等を対象としたグリーンボンドを発行するという。国内でのグリーンボンドは金融機関による発行はあるが、事業会社の発行としては初めてとなる。

 

 日本経済新聞の報道によると、同社のグリーンボンドは円建てで、最大150億円の資金調達を予定しているという。資金の使途は、来春、横浜市内の開発拠点で、ガス発電時の廃熱を空調に活用するビル(みなとみらい地区)を開発、同ビルの持ち分を一部取得する資金に充当する方針だ。

 

 同ビルは環境負荷の小さいグリーンビルディングとなる予定。発行するボンドの償還期間や利率は今後詰める。主幹事は野村証券が引き受ける見通し。マイナス金利下で運用難に苦しんでいる損保や年金基金などの国内機関投資家への販売を目指している。

 

 調達した資金で再エネ発電やグリーンビルディングなどに投融資するグリーンボンドは、昨年、世界で418億㌦(約4兆5000億円)が発行されている。今年は700億㌦~1000億㌦の発行が見込まれている。

 

 日本企業では、日本政策投資銀行が2014、15年と毎年発行しているほか、昨年は三井住友銀行もドル建てて発行している。またトヨタも14年以来、北米市場で発行している。国内での円建て発行は、ゴールドマンサックスが私募のグリーン・プロジェクトボンド債を複数発行している。

 

 野村総研は、2018年度までの中期経営計画で海外M&A(合併・買収)に計500億円を投じる方針だ。20日には米金融コンサルティング会社のカッター・アソシエイツ(マサチューセッツ州)の完全子会社化を発表し、M&Aなどに使う資金調達のため1000億円の社債発行枠を設定している。今回のグリーンボンド発行計画はその一部を活用する形だ。

https://www.nri.com/jp/