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環境省 初の家庭からのCO2排出量全国調査、世帯当たり年3.49㌧。戸建て世帯はマンション世帯のほぼ倍。高所得層(2000万円以上)も低所得層のほぼ倍(RIEF)

2016-06-30 22:53:05

CO2kateiキャプチャ

 

 環境省は30日、「家庭の二酸化炭素(CO2)排出量推計結果」を初めてまとめた。1世帯当たり平均排出量は年間3.49㌧。電気の使用による排出が約7割を占め、住宅別では戸建て世帯がマンション世帯の約倍の排出量、地域別では北陸地方が最も多く、最も少ない関東甲信越の8割増しなどの傾向が浮かび上がった。

 

 

 家庭部門からのCO2排出量は日本全体の排出量の16%だが、パリ協定で宣言した2030年度目標では2013年度比約40%の削減目標を立てている。かなりの大幅削減が必要となることから、環境省は、家庭からのCO2排出実態を知るために全国調査を実施した。

 

 調査は1万6402世帯を対象に実施した。その結果、全世帯平均では年間3.49㌧だが、戸建て住宅世帯は4.43㌧、マンション等の集合住宅世帯は2.29㌧で、戸建てが集合住宅のほぼ倍排出していることがわかった。一人当たり排出量も、戸建ては1.53㌧で、集合住宅の1.17㌧の3割増だった。

 

 用途別の排出量は照明・家電が約半分を占め、給湯と暖房がそれぞれ約2割。地域別では、暖房に灯油を多く使う北陸(年間5.32㌧)と北海道(同5.28㌧)が5㌧台に乗せ、関東甲信越(2.92㌧)が唯一の2トン台。北陸との差は8割強に上った。一人当たり排出量では北海道が唯一の2㌧台(2.34㌧)。

 

 世帯主の年齢別では、50~59歳が最も排出量が多く、29歳以下が最も少ない。その差は1㌧以上ある。世帯収入別では、収入が増えるともに排出量が増え。年2000万円以上の世帯が最も多い6.25㌧。もっとも少ない250万円以下(3.24㌧)のほぼ倍。

 

ただ、一人当たり排出量を収入別にみると、250万円以下がもっとも多い1.93㌧で、2000万円以上世帯の1.61㌧を上回った。最も少なかったのは750万円~1000万円の世帯で1.38㌧で、250万円以下の約4割少なかった。これは低所得層は一人暮らしが多く、電気料金等をシェアできないためとみられる。

 

http://www.env.go.jp/press/files/jp/103284.pdf