福島県山野での自家消費食品、野生肉のセシウム汚染、依然高濃度続く。イノハナ(コウタケ)から3万ベクレル超を検出(RIEF)
2017-11-22 01:06:11
秋が去り、冬の寒さが各地を襲う。東京電力福島第一原発事故で周辺にまき散らされた放射性物質の影響は、除染地区では一応の低下をみせているが、除染の手が回らない周辺部等では変わらぬ高水準が続いている。福島県下の自治体の調べでは、南相馬市で10月にイノハナ(コウタケ)から32756ベクレルの高濃度セシウムが検出されたほか、各地で晩秋の味覚の高濃度汚染が報告された。
食品中のセシウム基準は1kg当たり100ベクレルとしている。南相馬市の10月検査で、小高区神山で見つかったイノハナはその基準を300倍以上も上回ったことになる。また同市小高区浦尻のイノハナからも22800ベクレル、原町区押釜のアカハツタケからは16820ベクレル、原町区馬場のシメジからは6435ベクレルなどと高濃度が検出された。
二本松市でも、9月末検査の自家消費食品のうち、イノハナと同じコウタケ(乾燥)から7930ベクレル、郡山市の10月検査ではキシメジから6851.4ベクレル、9月検査ではマツタケから1135.3べクレルを検出した。
自家消費用の野菜だけではない。10月27日検査の飯館村のイノシシからは530ベクレル、同じ日の会津猪苗代町のニホンジカからは240ベクレル、9月6日の郡山市のイノシシから210ベクレルなど、除染とは無縁の野生の生態系では、放射性物質が2011年3月11日の被災の日以降と変わらぬ状況で汚染が続いていることを示している。
これらの汚染野菜や野生肉は、商品として流通しているものではない、とされている。自家消費野菜や肉として、自主的に検査に持ち込まれて計測されたもの。検査もせず、自家消費に充てられているものがどれくらいあるかは、不明。
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