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サントリー、2030年までにペット容器100%再生体制実現へ。 再生PETと植物由来樹脂を併用。500億円規模の投資(各紙) 

2019-05-29 10:29:44

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 各紙の報道によると、サントリーホールディングス(HD)は同グループの製品に使用するすべてのペットボトルの再生システムを確立する。2030年までに新たな化石燃料を投入せず、再生PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂と植物由来の素材を組み合わせて代替、循環させるようにする、という。

 

 日本経済新聞が報道した。同社は現在販売している飲料ボトルに使用済みペットボトル由来の再生PET樹脂を1割ほど使っている。計画によると、この割合を30年までに6~7割に高め、残りの不足分については、植物由来の樹脂で補う。こうしたペットボトルの再生・循環システムを30年までに確立させるため、500億円規模を投資するとしている。

 

 植物由来として使用する樹脂は、マツの間伐材や砂糖を作った後のサトウキビから作る。安定的に樹脂を確保するため、米国のスタートアップ企業のアネロテック(ニューヨーク州)と共同で、米国に新工場を設ける。これまでの検討によって、原油由来のナフサ(粗製ガソリン)を分解して作るペットボトルと同程度のコストで製造できるという。

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 同樹脂製ボトル工場は、2023年に稼働させ、量産体制を確保するとしている。また2024年ごろには、100%植物由来のボトルを使った飲料も発売できるとしている。

 

 再生PET樹脂については、容器を効率よく作るシステムを協栄産業(栃木県小山市)と共同開発。25年までに再生設備を全国数カ所に増やす。

 

 サントリーは世界50カ国・地域でペットボトル飲料を販売し年100億本程度を利用している。廃プラスチック問題がグローバルに問われており、飲料メーカーにとっては。容器再生は大きな課題となっている。

 

 たとえば、米コカ・コーラは30年までに容器原料の50%をリサイクル材にする目標を公表している。ただ、海外ではペットボトルを燃焼したり埋めたりするのが主流で、再利用率は欧州では4割、米国では2割にとどまる。分別回収の仕組みをどれだけ浸透させられるかも重要になる、としている。

 

 6月下旬に大阪市で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議でも廃プラの海洋汚染対策が重要議題として議論される見通し。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190529&ng=DGKKZO45398710Z20C19A5MM8000

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