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阪神高速道路、高速道路整備の社会的便益を使途とする初のソーシャルボンド発行。550億円、期間1年(RIEF)

2019-10-08 12:43:56

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 阪神高速道路(大阪)は、運営する高速道路の交通安全確保、災害発生時のリスク軽減等、渋滞対策、インフラの老朽化対策といった社会的課題を資金使途として、同社として初のソーシャルボンドを発行する。発行額は550億円。期間1年。

 

 阪神高速は、8月末にソーシャルボンドフレームワークについて、格付投資情報センター(R&I)から国際資本市場協会(ICMA)が定義するソーシャルボンド原則への適合性について、第三者評価(R&I ソーシャルボンドオピニオン)を取得している。

 

阪神高速の路線網と新規工事予定区間
阪神高速の路線網と新規工事区間

 

 今回の発行は、資金使途先の路線が現在、建設中で1年後に完成することから、償還期間は1年と、ソーシャルボンドとしては短い。利率は0.001%。主幹事はみずほ証券、大和証券、三菱UFJモルガンスタンレー証券の3機関。債券の格付はR&IがAA+を付与している。9日に発行の予定。

 

 資金使途先となる適格プロジェクトは、①高速道路の修繕・災害復旧(交通安全確保: 交通事故・誤進入件数の削減、災害発生時の機能維持: 自然災害への対応)②高速道路の新設・改築(渋滞対策: 渋滞による時間の損失削減)③高速道路の特定更新(インフラの老朽化対策)に大別される。

 

右は阪神高速のキャラクター
右は阪神高速のキャラクター「ハンコーくん」

 

 また調達資金は、国連の持続可能な開発目標 (SDGs)の目標3(すべての人に健康と福祉を)、目標8(働きがいも経済成長も)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標11(住み続けられるまちづくりを)、目標13(気候変動に具体的な対策を)にそれぞれ資する、との位置づけだ。

 

 阪神高速などの路線資産は完成すると、旧日本高速道路保有・債務返済機構に移管される。債務は償還まで阪神高速が維持するので、投資家は償還までは高速道路会社と機構の双方へ請求権を持つことになる。

 

https://www.hanshin-exp.co.jp/company/ir/sf/index.html

https://www.hanshin-exp.co.jp/company/files/190830_gaiyou.pdf