HOME5. 政策関連 |総務省。宮城県が推進する「再エネ地域共生促進税(再エネ新税)」に同意。24年4月からの実施、本決まり。再エネ限定の法定外税の導入、全国初。他の都道府県の追随も(RIEF) |

総務省。宮城県が推進する「再エネ地域共生促進税(再エネ新税)」に同意。24年4月からの実施、本決まり。再エネ限定の法定外税の導入、全国初。他の都道府県の追随も(RIEF)

2023-11-19 02:34:14

7d8beb3905f165fd2e689dc4e71d1640

写真は、今年7月の宮城県議会での条例案採決の模様を伝えるテレビニュースから)

 

 総務省は17日、宮城県が導入を進めていた「再生可能エネルギー地域共生促進税(再エネ新税)」の導入に同意した。県内での太陽光発電や風力発電等の事業について、立地の適正性を確保するため、一定規模以上の森林開発等を伴う事業の場合、事業者に対して、法定外普通税として、営業利益の20%を課すという内容。宮城県では2024年4月1日に関連条例を施行、実施するとしている。再エネ事業に限定した法定外税は全国でも初めて。

 

 再エネ新税導入のための条例案は、宮城県県議会が今年7月に可決し、すでに交付されている。ただ、法定外税なので、総務相の同意が必要で、県と総務省が調整を進めてきた。https://rief-jp.org/ct5/137058?ctid=

 

 新税は、森林開発を伴う大規模な再エネ事業による森林の荒廃や景観の損傷等を抑制することで、再エネ開発と生態系保全を両立させることを目的としている。対象となる再エネ事業は太陽光、風力、バイオマスの3事業で、面積が0.5haを超える森林を開発する場合に、その発電出力に応じて営業利益の約20%に相当する税を課税する。

 

 宮城県内では、県外資本等が主導する形での森林開発を伴う太陽光や風力発電事業に対して、地域住民の反対が各地で起きてきた。その結果、2022年7月には、関西電力が宮城県と山形県境で計画していた風力発電事業計画が地元の反対を解消できず、中止となったほか、オリックスによる風力発電事業も断念となった。https://rief-jp.org/ct5/130312?ctid=

 

 その後も、県内での再エネ事業計画は後を絶たず、県のまとめでは、現在、住民が反対運動を展開している事業は、太陽光発電事業で3件、風力発電で9件、バイオマス事業で1件があるという。さらに新規の再エネ事業計画も太陽光で2件、風力発電で16件と相次いでおり、地域社会と事業導入との調整が求められている。

 

 税率は、 太陽光発電設備の場合が620円/kW、風力発電設備が2470円/kW、バイオマス発電設備が1050円/kWとしている。ただし、 国また地方公共団体が所有する再エネ事業や国等が開発した地域での事業、住宅や工場等の屋根置き等の再エネ事業、国の地球温暖化対策事業等に該当する事業、知事が認定した事業計画に基づくもの等は非課税とする。

 

 このうち、地域の市町村が事業計画を事前審査し、住民との合意形成において、問題がないと認定した事業についても非課税とすることで、再エネ事業の普及にも配慮する形だ。

 

 自治研究機構の調査では、条例で太陽光発電所の設置を規制している自治体は4月1日時点で、245自治体(7県、238市町村)。2014年に大分県由布市と岩手県遠野市が制定したのを皮切りに全国に広がり、22年は過去最多の48件の条例が制定されている。一方で、電源に占める再エネ比率は、現状(2021年度)20.3%で、2030年の温室効果ガス(GHG)排出量46%削減を達成するには不十分な状態となっている。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000912759.pdf

https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/saisei/kyousei_tax.html

https://www.pref.miyagi.jp/documents/47230/01gaiyou.pdf