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環境省の「温暖化対策のボランティア養成講座」で『やらせ受講』83人が発覚。動員ノルマを達成するため下請け事業者が自腹で日当支払い。杜撰な環境省のキャンペーン行政(各紙)

2019-12-26 22:58:13

MOE1キャプチャ

 

 各紙の報道によると、環境省が主催する地球温暖化対策のボランティア養成講座で、委託を受けた事業の下請け業者が、日当を払って受講生を集めていたことがわかった。セミナーに参加するウェブテストの答えも事前に教えていたという。ボランティアは自発的な活動にもかかわらず、国が税金を払ってこうした講座を開くこと自体、疑問といえる。

 

  環境省から事業委託を受けていたのは、博報堂とみずほ情報総研。一般人を対象にした「地球温暖化防止コミュニケーター」養成セミナー事業で、委託費は年間約1億円。両社は委託した事業を下請けに出していた。

 

 この事業のうち、2016年度(6回)、17年度(4回)のセミナーで、セミナーに出席した人に日当として下請け事業者が1人当たり8000円から1万500円が支払っていたという。また、セミナーに参加するためのウェブテストの正解も一部の人に事前に教えていたとされる。対象となった人は合計83人。

 

   日当は下請け業者が別途負担していたとされる。契約上500人が事実上のノルマで、両年の登録者数は500人と533人。つまり、無報酬ではノルマが達成できないので、日当提供でかき集めたことになる。下請事業者が自ら日当を出してまで人集めをしないと、セミナーは成り立たなかったわけだ。

 

 事業は、地球温暖化の影響などを学び、語り手となるボランティアを養成する、というのが趣旨で、環境省が2016年度から毎年実施している。同省によると、「セミナーを受講すると日当が出るという求人があった」との情報が寄せられ調べたところ、下請けした都内の業者が日当を払って参加者を集めていたことが判明したとされる。



 同省は「2020年度末には4000人のボランティア登録を目指していたが、業者側がこの目標に追われてやってしまったとみられる」と説明している。同省はこの下請け業者に対し行政処分を検討するとしている。しかし、同省から直接委託を受けた博報堂とみずほ情報総研の責任については言及していない。

 報道では、博報堂広報室は「セミナーに参加する人を動員するようイベント会社の『Y・C・S』に委託したのは事実。ただ日当を支払っていたとは知らなかった」と説明しているという。

 また同省は今回発覚した83人のコミュニケーター登録を取り消し、2020年度のセミナーは実施しないことも決めたとしている。ただ、4年間の間、こうした「形だけを繕う事業」を続けてきた自らの責任については、明確に示していない。

 同省には、ほかにも「無理やり世論を盛り上げよう」とするキャンペーン事業が少なくない。それらの費用はすべて税金から支出される。民間ができる事業にも、自分のお金の様に税金をバラまいて、委託事業者との関係を維持しようとしているようにもみえる。「利権官庁の一つ」と指摘される由縁だ。

https://digital.asahi.com/articles/ASMDV2PC3MDVULBJ001.html

https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201912/CK2019122602000237.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191226/k10012228581000.html