英金融行動監視機関(FCA)、気候変動とグリーンファイナンスで、Discussion paper公開。金融機関や消費者等の意見を徴求へ。日本の金融庁も真似してください(RIEF)
2018-11-07 17:45:38
英国の金融監督当局である金融行動監視機関(FCA)は、気候変動とグリーンファイナンスについて、金融監督上の課題をまとめたDiscussion Paper(DP18/8)をまとめ、金融機関、企業、消費者、学者、NGOらを対象に意見公募に乗り出した。
意見公募期間は来年1月31日まで。
意見公募に際して、FCAのCEOであるアンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey)氏は「気候変動が金融市場に及ぼす影響は不確実。そのリスクは金融市場での多くの要因の一つだが、気候変動は他の要因と異なり、国際的、EU内、英国内のそれぞれで法的対応が求められているほか、低炭素経済社会への移行は金融市場と金融商品に大きな影響を及ぼす可能性がある」と問題意識を強調した。
さらに、「グリーン金融商品」に対する消費者の需要が高まっており、グリーン・タクソノミー(グリーン金融商品の分類)、グリーン性の情報開示、グリーンなパフォーマンスの評価などが重要になってくるだろう」と述べ、消費者需要への対応の必要性も指摘した。
こうした問題意識を踏まえ、FSAとして①金融市場の上場証券発行体に気候関連の情報開示を進める②監督対象の1万8000の金融機関に、抱える気候リスクや移行リスクへの適切な備えを確保させる③ 消費者保護と市場の健全性確保④グリーンファイナンスへの需要増大を踏まえ、当局としてポジティブなイノベーションを損なわないーーなどの4点を踏まえて、論点を提示している。
論点は、(a)気候変動の影響がFSAの短期、長期の金融監督上の目的に及ぼす影響について、(b)英国の金融サービス市場における低炭素経済社会への移行に伴うリスクとオポチュニティの評価、(c)金融市場が十分に機能し、消費者のために良い結果を生み出すことを確実にするための当局としての行動、に大きく分かれる。
「気候変動がFSAにとってなぜ重要か」「英国がグリーン経済への移行に際してのリスクとオポチュニティ」「FSAの行動について」「国内と国際的なエンゲージメント」の各分野で、FSAの活動の紹介と、取り組み理由等を説明するとともに、12の質問形式での意見のとりまとめを求めている。
たとえば、「発行体が、マテリアリティ(重要性)を決めるうえでの課題は?」「情報開示の比較可能性は投資判断に有益か?」「コンプライorエクスプレイン(‘遵守(コンプライ)せよ、
これらの質問は、日本の金融機関、消費者、NGO等にとっても共通するテーマでもある。関心のある日本の金融機関、および消費者等の方々は、以下のURLにアクセスして意見をまとめ、FSAに送付してみる手もある。