米カリフォルニア州での温暖化の影響による山火事拡大、ナパバレー等のワイン産地も炎上。大気の乾燥と海からの強風で火災が拡大(RIEF)
2020-09-29 17:02:16
温暖化の影響で森林火災が広がっている米カリフォルニア州で28日、世界的に有名なワイン産地、米カリフォルニア州ナパバレーとソノマバレーも、強風にあおられた山火事に襲われ、数万人が避難を余儀なくされる事態となっている。
カリフォルニア州森林保護・防火局(Call Fire)によると、空気の乾燥と、海からの強風の影響で、サンフランシスコから120km北方にあるナパ郡やソノマ郡は「Glass Fire」と名付けられた火災が広がり、800ha以上にわたって火炎で包まれた。同地域では475のワイナリーがワイン醸造に従事しており、同州のほぼ半分の小売りワインを製造している。
さらに火災は、55人の患者が避難しているAdventist Health St. Helena病院に2kmのところにまで迫ったため、患者全員を避難させたという。同病院の避難は今月に入って2度目だ。27日には病院以外にも600軒の住宅の住民が避難し、さらに当局は1400世帯に対して避難準備を勧告している。
これまでの同州での山火事による焼失面積は、年初から9月までの9か月間で、約150万haに上っている。これは過去最大の被害を更新している。火災はナパ郡で発生している「Glass Fire」のほか、北部のシャスター郡でも「Zogg Fire」が広がっている。州知事のギャビン・ニューサム氏は、「この二つの火災の鎮火が最優先課題だ。今後2日間が最大の試練だ」と住民に警戒と避難を呼びかけている。
ナパ郡で被害を受けたワイナリーには、シャトー・ボスウェル(Chateau Boswell)やカステロ・ディ・アモロサ(Castello di Amorosa)等の著名ワイナリーも含まれている。ソノマ郡でも最大都市のサンタローザ(Santa Rosa)周辺の建物に「多大な損失」が出たという。
報道によると、セントヘレナ(St Helena)近郊にブドウ畑を所有するタック・ベクストファー(Tuck Beckstoffer)氏は、「昨夜、ワイン醸造所は焼失を免れたが、それ以外は何もかも失った」と述べた。
カリフォルニア州では8月から深刻な山火事が広がっている。これまでに30人以上が死亡している。同州北部などでは計画停電も始まり、現時点で、約19万5000人が影響を受けている。
https://www.afpbb.com/articles/-/3306999?cx_part=top_topstory&cx_position=2