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アップル。「再エネ電力100%切り替え宣言」のサプライヤー数、グローバル28カ国で約40社増えて250社以上に。日本企業は34社。使用再エネ電力量は累計13.7GWに(RIEF)

2023-04-06 00:17:02

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  米アップルは5日、同社製品の製造に使用する電力を全て再生可能エネルギーにすることを表明したサプライヤー企業が28カ国250社以上となり、再エネ電力量は累計で13.7GWに達したと発表した。原発13基以上に相当する。100%再エネ電力を宣言した日本のサプライヤー企業は新たにローム、NISSHA(旧日本写真印刷)等が加わり34社。アップルはサプライチェーンのネットゼロ化を促進する資金調達のため、2019年以来、グリーンボンドで47億㌦(約6200億円)を調達している。

 

 アップルはすでに同社自身の排出量についてはカーボンニュートラルを実現している。だが、グローバルに展開する「IPhone」等のアップルブランド製品を製造するサプライチェーンからの排出量もネットゼロ化するため、「Supplier Clean Energy Program」を設定。2030年までにネットゼロにする目標への参加を求めている。

 

 23年3月時点で同プログラムへの参加を表明したグローバルサプライチェーン企業数は、昨年約40社が増えて前年比17%増。これらの企業が使用する再エネ電力総量も、ほぼ30%増の13.7GWと拡大し、順調に伸びている。サプライヤー企業が使用する再エネ電力は、アップル製品の直接製造に使われる電力の85%以上を占める。

 

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 アップルのサプライチェーンに入っている日本企業で再エネ目標に賛同してプログラムに参加を表明した企業は34社。このうちスマホの配線基板に使う絶縁膜等を供給する太陽ホールディングス社は、オンサイトPPA(電力販売契約)を活用しているほか、他の日本企業でもPPAの活用が増えているという。日本企業で新たに同プログラムに加わったのは、ロームやNSSHA等の5社。アップルは再エネ促進の日本企業によるイニシアティブである自主的団体「Japan Climate Leaders’ Partnership(JCLP)」とも連携している。

 

 中国企業ではサプライヤー企業のうち、約70社がプログラムに参加している。このうち、プリント回路基板の設計、研究、開発、製造等を担うAvary Holding(深圳)は、アップルのプログラムに上乗せする形で、アップル以外の受託製品製造に使う電力についても再エネ化、脱炭素化を促進しているという。韓国ではLG InnotekやSK hynix等の18社がプログラムに参加している。米企業は27社、欧州企業は30社という。

 

 アップルCEOのティム・クック氏は「われわれは気候変動問題に対処する緊急の行動が求められている。自らの操業においてカーボンニュートラルを進めるとともに、さらにそれ以上の削減を日々追求している。世界中のパートナー企業とともに、グローバルサプライチェーンにもっと多くの再エネ電力を追加するとともに、次世代のグリーン技術への投資も加えていく。こうしたチャレンジのスケールは膨大だが、それに対応するわれわれの決意も同様に拡大している」と述べている。

 

 同社のグローバルサプライチェーンが使用する再エネ電力総量は、2019年以来で約5倍に増えている。総量13.7GWの使用で、昨年は1740万㌧のCO2排出量を削減したことになるとしている。これは自動車に換算すると、380万台が排出するCO2量を道路上から取り除いたのと同じ規模になる。製造工場での再エネ電力拡大のほか、世界44カ国に展開するオフィスやデータセンター、小売店等での使用電力もこれまでに1.5GW分を再エネ転換している。

 

https://www.apple.com/newsroom/2023/04/apple-and-global-suppliers-expand-renewable-energy-to-13-point-7-gigawatts/