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世界最大級の太陽光発電、住商が米で参画(各紙)西海岸で55万kw

2012-10-03 10:16:23

整列する太陽光パネル
各紙の報道によると、住友商事は世界最大級の太陽光発電事業に参画する。米国大手の電力会社などと組み、米西部に55万キロワットの発電所を建設する。総事業費は約23億ドル(約1800億円)で、住商の出資額は約160億円とみられる。欧米では一時のブームが後退し、設備メーカーの淘汰・再編が進む。ただ中期的に需要は拡大すると判断した。


 太陽光発電分野の投資額では、日本企業では最大規模の案件となる。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の発電子会社が持つ株式50%のうち25%を取得する。出資比率は米電力大手のネクストエラエナジーが50%、GEグループが25%、住商が25%。これら企業の出資は総事業費の約3分の1を占め、残りは米政府や州政府からの補助金、金融機関からの借り入れで賄う。




 発電所は米カリフォルニア州南部で建設中。2013年後半から順次稼働させ、15年2月に完成する予定だ。約16平方キロメートルの敷地に約900万枚の米社製薄型太陽光パネルを設置する。発電容量は大型火力発電所1基分で、16万世帯以上が使用する電力に相当する。住商の太陽光発電の持ち分容量は既存事業と合わせると約20万キロワットと国内では最大の事業者となる。




 米大手電力2社と20~25年間の売電契約を締結済み。買い取り価格は電力会社との個別契約で、時間帯に応じて変動する。日本での買い取り価格より安いが、安定収益が見込める水準と判断したようだ。




 米国ではシェールガス革命を機に、安価な天然ガスを活用した火力発電所の建設が活発になってきた。ただオバマ政権は「新エネルギー利用促進法(RPS法)」により、再生可能エネルギーの利用を促す政策も続けている。州ごとの法律により、電力会社は再生可能エネルギーの買い取り義務を負う。




 特に住商が今回出資する発電所があるカリフォルニア州は積極的。20年までに全発電量の33%を再生可能エネルギーで得る方針だ。中国との競争もあり、太陽光パネル生産では経営破綻した企業があるものの、太陽光を使った発電需要は今後も増大する見込み。




 住商は08年に太陽光発電事業に参入。イタリアなど欧州5カ所全ての発電事業が黒字化した。太陽光発電は他の再生可能エネルギーに比べ安定的な収益が見込めるため、拡大する方針だ。今後は電力の効率活用を促すスマートグリッド(次世代送電網)事業などと組み合わせ事業を拡大していく考え。ノウハウを蓄積し日本や東南アジアでの事業展開にもつなげる。




 日本エネルギー経済研究所によれば、世界の太陽光発電は最大で35年に09年比26倍、風力発電は同10倍に拡大するとしている。

 

 

整列する太陽光パネル