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温暖化影響予測:日本の平均気温、今世紀末に 最高4度上昇(毎日)

2013-04-12 19:46:13

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ondankadog2008080405地球温暖化がこのまま進めば、今世紀末には日本の平均気温が最高4度上昇し、河川氾濫の確率が最大4.4倍に増えるとの予測結果を、環境省などが12日公表した。健康被害のリスクや農産物の収量にも影響が出ると予測している。政府は14年度末をめどに対策をまとめる方針。

予測は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次報告書と同じモデルを用いた。日本の平均気温は過去100年間で、世界平均(0.68度)を上回る1.15度上昇している。温室効果ガスが今以上のペースで増え続けた場合には、今世紀末にはさらに2.1〜4.0度上がると予測。最高気温が30度以上の「真夏日」は、沖縄・奄美で年間約50日、全国平均で同約25日増えるという。

今世紀末までに3度上昇すると仮定した場合、短時間に強い雨が降る「ゲリラ豪雨」の頻度が増加。全国の1級河川で洪水の発生確率が1.8〜4.4倍に高まる。強い台風が接近する頻度も高まるため、高さ20メートル前後の高波が発生する頻度も太平洋沿岸を中心に増えるとした。

生態系への影響では、気温上昇によって水稲は収量が増えるものの、一等米の比率が北陸で40%減るなど品質が低下する。また、沿岸のサンゴ礁は2030〜40年代に消滅してしまうという。熱帯に多い感染症「デング熱」を媒介するヒトスジシマカの越冬北限は、現在は青森県南部だが、2100年には北海道へ広がると予測している。【阿部周一】

◇地球温暖化で今世紀末までに予測される主な国内影響◇

・平均気温は2.1〜4.0度上昇

・1時間あたり50ミリ以上の降雨の年間発生回数が全国平均で約4倍に増加

・1級河川の洪水発生確率が1.8〜4.4倍に増加

・北日本と中部山地以外で河川流量が減り、渇水が深刻化

・2030年代までにサンゴ礁半減、40年代までに消失

・一等米の比率が全国で17.6%減少

・デング熱を媒介するヒトスジシマカの越冬可能地域が北海道へ拡大

・熱中症の死亡リスク増大