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加速する温暖化現象 二酸化炭素濃度 ハワイで初の400ppm超え(各紙) 2020年削減目標撤廃など温暖化逆行の安倍政権の信頼揺らぐ

2013-05-11 14:35:54

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ondankadog2008080405各紙の報道によると、米海洋大気局(NOAA)は10日、ハワイ島マウナロア観測所で測定している大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が、1958年の観測開始から初めて400ppm(1ppmは100万分の1)を超えた、と発表した。産業革命前は280ppmと推定され、現在の濃度上昇率は半世紀前に比べて3倍になった。NOAAは「温暖化が加速している」と警鐘を鳴らす。

CO2濃度は、周辺に工場などがあると高くなる。日本では常に世界平均を上回り、昨年、岩手県の観測地点で月平均値が初めて400ppmを超えた。これに対し、標高3397メートルにあるハワイのマウナロア観測所は測定期間が最も長い上、産業活動などの影響を受けにくいため、地球の平均的濃度を示す観測拠点とされている。

同観測所によると、先月から1日当たりの平均値が399ppmを超え、9日に400.03ppmに達した。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、400〜440ppmが継続すると、気温は2.4〜2.8度上昇すると予測している。世界の平均気温は2005年までの100年間で0.74度上昇した。気温の上昇は気候変動の激化をもたらし、生態系等にも大きな影響を及ぼす。温暖化に歯止めがかからないと、地球全体で億単位の難民が生じるとの警句もある。

大気中のCO2量は、人類が存在するはるか以前の300万~500万年前から400ppmを超えたことはないとされる。当時の地球は、現在より気温が数度高く、海水面が20~40メートル高かったと推定されている。

英ロンドン大学経済政治学院(London School of Economics and Political ScienceLSE)グランサム気候変動環境研究所(Grantham Research Institute on Climate Change and the Environment)のボブ・ワード(Bob Ward)政策担当部長は、「われわれが今、生み出しつつあるのは先史時代の気候であり、人間社会は膨大かつ破滅的な可能性を秘めたリスクに直面することになる」と述べた。

温暖化対策を巡る国際交渉では、猛暑や海面上昇などの被害を最小限に抑えるため、気温上昇を2度未満に抑えることを目指しているが、日本は本年からの卿議定書第二約束期間に参加しなかったほか、民主党政権時代に国際公約した2020年に90年比25%削減するという目標を、安倍政権は撤廃する方針を決めている。