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「温室効果ガス25%削減目標」撤廃へ 改正温暖化対策推進法が成立 (各紙) COP19までに新目標というが、名案なし

2013-05-17 23:28:56

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各紙の報道によると、前民主党政権時代に2020年に向けた日本の国際公約として掲げた「温室効果ガス25%削減(90年比)」目標を取り下げる改正地球温暖化対策推進法が、17日の参院本会議で成立した。自民党、公明党、民主党の各党が賛成、成立した。政府は11月に開く第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)までに新目標を策定する、としているが、明確な数値目標を設定できるか、流動的となっている。ondankadog2008080405

改正法は、2013年度以降の温暖化対策の策定を政府に義務付けるものだが、肝心の温暖化対策の基準となる目標を取り下げたため、効果的な対策を打てるのか、という疑問が出ている。各国はCOP19を経て、来年のCOP20には、事実上、2020年からの温暖化対策の国際的枠組みを設定することになる。

EUはすでに20%削減(90年比)を約束しており、米国もオバマ政権が今年の教書で温暖化対策の優先課題として取り組むことを明言しており、国際的な駆け引きが展開されそうだ。だが、日本が明確な目標を取り下げたままだと、交渉力を欠くことにもなる。

改正法では、対象とする温室効果ガスに、半導体や太陽電池の製造工程で利用する三フッ化窒素を追加する規定も盛り込んだ。


 これまでの「25%削減目標」は、09年に鳩山由紀夫内閣が国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)で表明していた。政府は改正法の成立を受け、月内にも同目標の撤回を国連に通知する方針だ。各国から「後ろ向き」との批判を受ける公算も大きい。