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再生エネ発電 FIT制度導入から1年強で原発6基分の発電開始 8年で「原発完全代替」も可能(FGW)

2014-01-11 20:36:00

FIT2014キャプチャ
FIT2014キャプチャ経済産業省は10日、昨年10月末時点での再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表した。2012年7月の固定価格買い取り制度(FIT)導入以来、原発6基分に相当する585万キロワットの再生可能エネ発電が生まれたことになる。このうち97%が太陽光だった。

FIT導入は民主党政権時に、脱原発の菅元首相が首相退陣と引き換えに法案成立を求めて導入された経緯がある。現在、48基ある原発の8分の1を、制度導入から1年強の間に再生可能エネ発電で賄えるようになったことになる。単純に考えれば、このままの調子で増え続ければ8年で原発代替が可能になる計算だ。

ただ、再生可能エネ発電のうち太陽光が567万キロワットに達した一方、バイオマス発電は11万キロワット、風力は7万キロワット、地熱は0.1万キロワットと、太陽光偏重が顕著になっている。買い取り価格の設定と、立地条件等が再生可能エネ発電でも異なることを反映した結果といえる。

太陽光については、土地さえあればどこでもパネルを設置できるという手軽さと、買い取り価格を高めに設定したことが普及を後押しした。これに対して、風力や地熱などは、設備が大型のものが必要で、農地や国有林などのエネルギーの資源が豊富な地域では、農地利用、景観規制等、他の制度との調整が課題になっている。

太陽光については、一般家庭や工場などの屋根借り発電も広がっている。ただ、太陽光発電は日照時間の制約を受けることから、電力の周波数の安定対策、蓄電設備の増強などの課題を抱えている。原発に頼らないエネルギー網を築くには、太陽光の課題克服とともに、風力や地熱、バイオ発電など、立地条件や発電仕組みの異なる多様な発電網を広げる必要がある。

 

http://www.meti.go.jp/press/2013/01/20140110002/20140110002.html