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エネルギー大手BPの分析  シェールガス革命にもかかわらず 温室効果ガスは上昇続け 今後20年間に3割増に (Guardian)

2014-01-17 01:11:56

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shalegasimagesエネルギー大手のBPは最新の報告書で、石炭に代わるシェールガスの普及にもかかわらず、世界中の温室効果ガスは今後20年の間に3分の1ほど増加し、気候変動が抑制されるとの期待は遠ざかる、との見通しを発表した。

報告書では、シェールガスは2035年までのエネルギー成長において明確に比率を高め、全体の27%になると推計している。だが、それが温室効果ガスの増加を抑えるほどの効果はあげられないという。

シェールガスの擁護者は、同ガスが石炭依存を是正すると指摘する。確かに、米国ではシェールガス価格は一気に $12 (£7) から$3 (£1.80) 以下に下がった。しかし、世界的にみると、米国で使われなくなる石炭は他の国に輸出されて使わるため、温室効果ガス全体の伸びは抑えられないと報告書はしてきする。

BPのチームエコノミストのChristof Ruehl氏は、「燃料転換の効果は全体の温室効果ガス排出量にほとんど影響を与えない。むしろ石炭の使用は世界的にみると、史上最高のレベルで伸びていく」と指摘している。.

BP の推計では、2035年のエネルギー別の消費割合は、シェールガスが27%のほか、他の石炭、石油、そして低炭素分野エネルギー(原子力、水力、再生可能エネルギーの合計)もほぼ同じシェアになるとみている。

BPが予測では温室効果ガスは2035年までに29%の上昇となる。国連のIPCCは、温室効果ガス排出量は2020年にピークアウトして、その後は抑制されないと、気候変動の激化を防ぐための目安となる「2度C上昇」を達成できなくなる。BPの今回の報告は、気候変動が壊滅的な打撃を世界中に及ぼす可能性が高まってくることを警告している。

今回のBPの報告書は、「シェールガスが温暖化対策の切り札」との見方に冷水を浴びせるもので、世界レベルでのエネルギー消費全体の抑制、さらには石炭使用の制限をどう進めるかというテーマを改めて浮上させる。

http://www.theguardian.com/business/2014/jan/15/bp-predicts-greenhouse-emissions-rise-third