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EU、2030年の温暖化ガス削減目標 90年比40%削減へ、日本、米国に削減圧力(各紙)

2014-10-13 19:34:10

EUheadquarters無題


 各EUheadquarters無題紙の報道によると、欧州連合(EU)は今月23~24日に開くEU首脳会議で、2030年までの温暖化対策の排出制限目標を、1990年比で40%削減することで合意する見通しだ。

 



EUの高い目標設定は、来年末に「2020年以降の温暖化対策の国際的枠組み」を決めるCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)に向けて、米国や日本などにも同様の高い削減目標の設定を求めると同時に、中国やインドなどの途上国にも削減目標設定を促す狙いがあるとみられる。

 

EUは現在、2020年目標として90年比で20%削減を公約している。すでにEU全体でほぼ達成水準に近接しており、目標達成はほぼ間違いないとみられている。今回の2030年目標は、そうした実績の積み上げとともに、EU、日本を含む先進国が国際公約としている2050年には、80%削減という目標に到達するためには、最低でも2030年には40%削減が必要として定める。

 

日本は、前民主党政権の時、当時の鳩山由紀夫首相が、2020年目標を90年比25%削減と公表した。その後、東電福島原発事故により、原発によるCO2削減が見込めなくなり、安倍政権は昨年末、の地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍首相)が、鳩山目標に代えて、2005年比3・8%削減とした。これは90年比に換算すると実質3・1%の増加になり、国際的に見劣りする水準にある。さらに30年目標の設定にも苦吟している。

 

EUは40%削減を実現するため、再生可能エネルギー発電の比率を、30年までにEU全域で「少なくとも27%」に引き上げるほか、省エネや節エネなどの、エネルギー効率化の目標についても、同年までに当初予測より30%向上させる予定。また排出権取引(EU-ETS)についても対象を拡大していく。加盟国のうち、今後の経済成長促進が求められる東欧などに対しては、温暖化ガスの排出枠を多めに割り当てる。

 

またウクライナ問題で、ロシアに3割も依存しているエネルギーの安全保障問題が高まっていることから、域内でのエネルギー・インフラの整備・支援や、EU全体としてのエネルギー交渉力を強化することなどを打ち出す。エネルギー効率化と電力供給の安定化を両立させるため、加盟国間の電力網の相互連結をさらに促進する電力インフラの整備にも力を入れる。