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温暖化対策の京都議定書 先進国の削減目標を4倍強の超過達成。その成果を今年末のCOP21につなげられるか(FGW)

2015-02-14 15:45:05

Kyotoprotocolキャプチャ
Kyotoprotocolキャプチャジューネーブに本拠を置く国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局は13日、国際的温暖化対策の初の枠組みとして実施(2008~12年)した京都議定書の目標を大幅に達成したと発表した。

 

日本の京都で1997年11月に開催したCOP3で合意した京都議定書では、先進国だけが義務的な排出責任を負った。その目標は先進国全体で1990年比5%の削減だったが、UNFCCCによると、実際の削減は90年比で22.6%減と、目標を4倍以上も上回る超過達成となった。

 

京都議定書は2005年2月16日に発効した。このため今月16日には発効から10年の節目を迎える。そこで、UNFCCCは「京都の成果」をまとめたわけだ。先進国の義務付けには当初、米国も参加していたが議会の反対で条約を批准できず、日本、欧州連合(EU)など37か国が参加した。

 

同議定書では、先進国内での排出権取引や途上国での排出削減を進めるクリーン開発メカニズム(CDM)、先進国間でのジョイント・イニシアティブ(JI)などの排出削減を加速する仕組みを取り入れた。排出権取引は、EU-ETSを筆頭にして世界30か所以上で導入されている。CDMは105カ国で7800の事業が実施されてきた。その結果、CO2換算で15億トン(日本の年間排出量を上回る規模)を削減できたという。

 

UNFCCCのフィゲレス条約事務局長は「京都議定書は、さまざまな面で素晴らしい成果を上げ、(排出量取引などの)先駆的な概念を実現した」と高い評価を述べた。

 

京都議定書は2013年から2020年までの第二約束期間に移行した。参加国からは日本などが抜け、当初の対象国のうち3分の2くらいの参加国で継続されている。2020年以降の国際枠組みについては、引き続き検討中で、今年12月にパリで開くCOP21が期限。最大の焦点は、京都議定書の時のように先進国に限った削減義務ではなく、途上国も含め全加盟国に削減義務を負わせられるか、という点。

 

「京都の誇りある成果」を踏まえて、前進してもらいたい。

 

http://newsroom.unfccc.int/unfccc-newsroom/kyoto-protocol-10th-anniversary-timely-reminder-climate-agreements-work/