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EUが 2020年以降の温室効果ガス排出目標を90年比40%削減で正式決定 年末のCOP21に向け。日本などに圧力(FGW)

2015-03-07 22:13:15

EUClimateActionキャプチャ
欧州連合(EU)は6日開いた環境閣僚会議で、年末にパリで開く国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)に提出する2020年以降の温室効果ガス排出削減量をEU全体で、2030年までに40%削減(1990年比)する目標案とすることで合意した。EU議長(大統領)が国連に提出する。

 

COP21では、京都議定書(2008-12年)に代わる2020年以降の地球温暖化対策の国際フレームワークを決めることになっており、先進各国はできるだけ3月末までに自国の目標案を前倒しで提出することが求められている。EUの提出はスイスに次ぐ2例目。他の先進国も準備を進めているが、日本は原発再稼働を優先するエネルギー政策上の都合によって、明確な温暖化ガスの削減目標を立てられない状況が続いている。

 

特に日本は、政府内でようやく目標づくりの調整が始まった段階で、3月末はおろか、6月末頃に提出できるかどうか、という状況だ。中国や他の新興国の中にも、3月中の目標提出に踏み込む国がありそうなことから、日本の”温暖化後進国”ぶりが目立ちそうだ。

 

EUはすでに昨年10月の首脳会議で40%削減目標の提出で合意していた。今回の正式決定は、提出目標の3月の早い段階で出すことによって、国内事情によって野心的な目標を打ち出せない日本など他の国にプレッシャーをかける狙いもあるとみられている。

 

欧州委員会の気候行動とエネルギー担当の欧州委員であるMiguel Arias Cañete氏は「私はEUが野心的でかつタイムリーな国際貢献目標を提出できることを大変誇りに思う。他の先進国、および新興国についても、少なくともわれわれの目標とマッチするような取り組みを打ち出すことを期待する」とコメントを出している。

 

EUは世界の気温上昇が産業革命前に比べて2℃以下に抑制するために、先進国として2050年までに90年比で80~95%削減を公約している。この目標は2010年比で世界全体で60%削減と整合するものという。

 

http://ec.europa.eu/clima/news/articles/news_2015030601_en.htm