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米ロが温室効果ガス削減目標事前提出 主要先進国が出そろう。日本はCOP21に向けたスタートラインに立てず(FGW)

2015-04-01 13:12:29

ondanka usaキャプチャ
ondanka usaキャプチャ国連の気候変動枠組み条約事務局は31日、米国とロシアがそれぞれ2020年以降の温室効果ガス削減目標を提出したと発表した。これで12月に開く同条約第21回締約国会議(COP21)に向けて国別目標を事前に公表した国は33カ国に達した。日本は提出できていない。

 

2020年以降の温暖化対策の国際枠組みを決めるCOP21に先駆けて、枠組みの主要な要素となる国別目標については、各国が自らの判断で設定することになっている。特に、事前準備のできる国は3月末までに提出を要請されていた。

 

米国の目標はすでにオバマ政権が昨年明らかにした内容で、2025年までに米国内の温室効果ガス排出量を2005年比で26~28%削減するというもの。20~25年の削減ペースは年間2.3~2.8%で、それまでの05~20年の削減ペースを倍増する野心的な目標となっている。2050年には排出量を80%削減を実現し、低炭素社会への移行を図るとしている。

 

目標達成を実現するため、米環境保護局(EPA)は新規だけでなく、既存の石炭火力発電所から出る二酸化炭素(CO2)を、2030年までに05年比で30%減らす規制案を公表している。また 中大型車の燃費基準の強化や、家電製品や建物の省エネ化も推進する。

ただ、石炭火力のCO2排出制限案には共和党が反対しており、削減法案を議会に提出せず、EPAの規制と州法で実現しようとするオバマ政権と対立している。


で30年までの排出量を計30億トン減らす方針も打ち出した。米政府高官は31日「米国は他国よりもCO2を削減し雇用も生み出す」と強調した。ondankarosiaキャプチャ


一方、ロシアは2020年、2030年の温室効果ガスの削減を1990年比でそれぞれ25~30%削減するとしている。主な削減については、ロシアの広大な森林によるCO2吸収源の効果をあげている。

すでに欧州連合(EU)は2030年までに90年比40%削減を打ち出している。またスイス、ノルウェー、メキシコなどもそれぞれ削減目標を提出した。先進国で提出できていないのは、日本とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどに限られる。

 

中国は当初3月末に提出が見込まれていたが、日本などの未提出を意識してか、「6月までに」と提出時期を遅らせた。

 

フィゲレス条約事務局長は「事前提出国の温室効果ガス排出を合わせると世界の総排出の4割を占める。とても良いスタートだ」と歓迎の声明を出している。